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BL小説・風のゆくえには~将来4-2(浩介視点)

2016年04月05日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 将来

 慶と付き合うことになって、初めてのバレンタイン。

 せっかく、慶の妹、南ちゃんから、行為をスムーズに行うためのジェルまでもらったのだけれども………

(やっぱり無理だったよ、南ちゃん……)

 付き合いはじめてからまだ1ヶ月と3週間。軽い触れるだけのキスしかしたことがないおれ達。
 その上、ジェルと一緒にもらった小説を読んで、初めて男同士でする方法を知ったおれには、そこまで進む心の準備もまだできていなかった。


 実は、慶と付き合うことになってから、男同士ってどうするんだろう?と考えてはいた。
 おれの貧困な発想力では、扱きあったりするのかな?というのが精一杯で、それを想像して自慰行為をしたりしていたんだけど……

(まさか……あんなところを代用するとは……)

 でも考えてみたら、すごい快腸な時に、そのくらいの大きさのものが出ることだってあるんだから、入ることも可能といえば可能……?

(でも、痛そう……)

 でも、男女間でするように、物理的に『繋がる』『一つになる』方法は、確かにこれ以外には考えられない………

 
 その本とジェルを渡してきた時、南ちゃんは「お兄ちゃんには内緒ね」と言った後に、

「できたら報告してね。お兄ちゃんも同じの読んだことあるからきっと大丈夫」

 とも言っていた。
 その時は何のことだかわからなくて、頭の中が?だらけになったけれども、ようやく意味がわかった。そして、あらためてそのセリフを思い出して、

(慶は………知ってるんだ)

 そう気がついたら、ますます下半身の血のめぐりが………。
 でも、慶からキス以上のことに進もうとする気配はまったく感じられなかった。


 バレンタインには、おれは5粒で3千円もするチョコレートをプレゼントした。小遣いで買いたくなかったので、年始にコンサートホールの会場係のアルバイトをしたのだ。

 慶はすごく喜んでくれて、

「全種類半分こしようぜ!」

といって、一粒をおれの口元に寄せて「半分だけな~」と言って噛ませ、残りのチョコをパクッと自分の口にいれた。

(間接キスだ)

 間接じゃないキスも散々してるくせに、ドキドキしてきてしまう。

「うめー! 次どれがいい?」
「これ!」

 慶が掴む前に一粒取り、さっき慶がしてくれたみたいに、慶の口元に寄せると、慶がちょっと笑いながら半分のところでチョコを噛んだ。

(うわ……可愛いっ)

 キスをせがむみたいな角度。上目使いの目。我慢できなくて、チュッと唇を合わせると、慶はくすぐったいような顔をして笑ってくれた。

(ああ………幸せ)

 これ以上なんて贅沢だ。せっかくプレゼントしてくれた南ちゃんには悪いけど、おれはこれ以上のことは望まない………


 なんて思っていたはずの翌々日、日曜日。

「聞いたか? 東野のやつ、こないだのバレンタインで彼女と……」

 クラスの男子14人で来ているカラオケ屋で、みんなが話しているのを聞いてしまった。

「バレンタインで、あたしをプレゼント! みたいな?」
「そうそう。今日、うち誰もいないから……、って誘われたらしいぞ」

 東野とその彼女が付き合いはじめたのは、おれ達とまったく一緒。昨年の12月23日。

(それなのに、もう!?)

 一昨日は、これ以上は望まない、なんて思っていたはずなのに………

「………いいな」
 思わず声に出てしまって、自分でも気がつく。

(うらやましい………)

 東野は好きな人と一つになれたんだ。それはどんなに甘美なことだろう………。


 その日の夜は2回抜いてもまだウズウズしてしまって自分でも呆れた。

(慶はこんなこと思ってないだろうな……)

 大きくため息をついて、眠れない夜を過ごしたわけだけれども………



 翌、月曜日。
 登校してきた慶が、ツカツカとすごい勢いでおれの席まで歩いてきた。

(な、なに!?)

 こちらの戸惑いをものともせず、慶は挨拶もせずに、バンッとおれの机を叩くと、顔を寄せて言い切った。

「今度の日曜、おれんち誰もいないから遊びに来い」
「!!」

 そ、それは………

 途端に自分が赤面したのが分かった。慶も仏頂面を作りながらも赤くなっている。 

「う、うん………」

 昨日の今日のこのセリフ。そういう意味だ。慶も、おれと同じこと思っててくれたんだ……。

 そういうわけで、日曜日が来るまでの一週間は、これでもかというくらいギクシャクしてしまった。何度か慶と顔を見合わせ苦笑してしまったくらいだ。


 そして迎えた運命の日曜日……





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く、悔しい……。書き終わらなかった……。ので、ここまでを一回アップします。

お読みくださりありがとうございました!
このお話の慶視点が、R18読切『初体験にはまだ早い』の前半になっております。
本当は切る予定なんて全然なかったのですが、書き終わらなかったのでとりあえずここまで……
続きはできたら明日、無理だったら明後日更新しますー。次回もどうぞよろしくお願いいたします!

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コメント (4)
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