ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

「細雪」谷崎の愛した美人たちー芦屋の谷崎邸へ

2013-11-23 10:20:27 | 文芸・作家の世界を訪...


仕事の前日に神戸入りして行ったのは

芦屋の谷﨑潤一郎記念館です。

谷崎、若い頃に耽読したものです。

きもの好きには、きものの一大競演(饗宴?)

「細雪」(市川昆監督)の作品の舞台となった邸宅です。

 

きもので行くつもりでしたが、

直前まで不安定な天気のため、

仕方なく洋服で行きました。

朝方の雨も午後にはやみました。

自撮りです。

記念館はこじんまりしています。

まあ、改めて認識するのはつくづく

「谷﨑のそばにはきれいな女性しかいなかったのだなあ」

ということです。

耽美派の作家だからね。

展示室に入るやいなや、


二人の美しい女性がお迎えしてくれます。

向かって右の束髪の女性は最初の奥さん千代。

彼女は、なんとのちに、作家仲間の佐藤春夫

(「田園の憂鬱」など)に愛され、

谷﨑は彼女を佐藤に譲るんですね。

すごいですよね。

自分の妻を友人に譲るんですよ!

で、この千代の妹がまた奔放な美人で

「痴人の愛」のナオミのモデルです。

P1070592_3

身長154センチ、と大正時代の女性にしては

スタイルもよく行動的だったそう。

ナオミは主人公を振り回す小悪魔的な

女性として描かれていますね。

この小説、ものすごく面白かったです。

夢中で読んだものです。

映画では京マチ子が演じていました。

妻を譲った谷﨑は文芸春秋の記者丁未子(とみこ)

と結婚しますが、この結婚をする前から、

生涯拝跪(拝み続けた)し続けた松子さんにアプローチ。

彼女は当時人妻でしたが、もう谷﨑ったら、

「あなたさまに奉仕できましたら、

身を滅ぼしても構いません」

などという恋文を送りつづける~~。

で、ついに思いを遂げて結婚。

P1070590


松子様の四人姉妹をモデルに「細雪」

とあいなる次第でございます。

映画では圧巻のシーンだった平安神宮のお花見。

女性が次々と男性を変えながら

のし上がっていく話はよくあるけど、

谷﨑って女性を肥やしにして、

作家として大成していったのね。

女性が男性を肥やしにのし上がっていくと「

悪女」とかいわれるものですけね。

お見事!

母親もすごい美人だったのよね。

美人に囲まれて一生を過ごして、作家としても大成。

男としては最高の人生ですね、たぶん。

 

せっかくだから神戸ポートタワー。


せっかくだからホテルで自撮り

本文と関係ないのが残念だわあ~~。

ご本人は最高の人生だけど、

女性側からするとどうでしょうか。

まっ、愛されているあいだは

サイコウでしょうけど、ね。

無事東京に、またきものに、戻ります

きもの着れなくて淋しかったなあ~。

関連記事

谷崎美人姉妹のと芦屋周辺」

漱石の愛したファム・ファタール(悪女)たち}


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型染めの魅力ーー芹沢銈介美術館

2013-07-07 17:22:35 | 文芸・作家の世界を訪...


型染めが好きです。

 だから名古屋方面に行くたびに、

この「芹沢銈介美術館」は気になっていました。

 

しかし、静岡って「ひかり」止まらないんですよね。

 それに駅から少し距離があるとあって

なかなか行けませんでしたが、

ようやく訪れることができました

 とにかく彼の作品をこの目で見たいという、

行き当たりばったりの訪問です。

で、やっていたのは「はたらく色ー藍のすこやかさ」

 藍、好きです

 ラッキー。

「はたらく色」って

なんともいい言葉ではありませんか。

 健やか(すこやか)に、懸命にはたらく藍

 

 

P1050714

まずは外観から。

 

P1050718

P1050722serizawa1_3



P1050729P1050725

 

美術館では芹沢先生の作品が、

のれん、帯、屏風というふうに並べてあります。

 人も少なく、ゆっくりと落ち着いて

観ることができました。

 以下は、作品集(芹沢介の作品・屏風)

からの転載です。

 

 

 

 

P7073304

みの(蓑)ながら、エジプトの王者の風格?

 

首飾りにしたい?






P7073305

 

「いろはにほへと」ひらがなの美しさ
P7073307
P7073308


型というと、「型にはまる」「型通り」

とあまりいい意味には使われませんが、

一種の安心感はあります.


 先生の作品を見ていると、

「既成の型」から飛び出し、

自分の型」を作り、それを極め、

また次の型を模索~~、

という上昇サークルを感じます。

やどかり、か

作品を眺めていると、

「型」というのは、

ものの本質をくっきりと浮き出す方法

なのかしら、とも思います。

 たとえば「花」なら、

実物の花以上にその形

を浮き彫りにする?とか。

 

柳宗悦氏の、日常の暮らしのなかでの

美を尊重する民芸運動に共感し、

周りのあらゆるものを作品にしています。

 この縄を染めたのれんが好き

 縄のなかの一筋一筋が協力しあって、

一本では出せない力強さがすごいです。

 

P7073310nawa1


周りにあるどんなものも、

見方を変えれば美に転じる。

 うーん、たとえば、

はさみやカメラやお玉を型染めにしても面白い

 「はたらく藍」出てこないではないか?

そうなんです。

こちらは先生のコレクションですから、

写真がないのです。

 

でも世界中の絞りの藍を集めた

素晴らしい作品を観ることができました。

P5202470P6012644


フリマで買ったこんな布

(アッ、同じだと思ってしまった)や

藍の絞りを古くしたようのと

同じようなものがいっぱいありました

(笑・すみません)

で、本日のきものは旅先ですので、

気軽に木綿。

(「銀座で跳んでみたー木綿の着心地」)に

夏野菜の型染め帯です。

P7053290katasome1_2
P7053302katasome2

 

とにかく着やすいのが一番

帯揚げは白に水色の絞り。

帯締めはベージュ。



ところでこの美術館、

登呂公園という弥生時代

の建物を配した公園の

片隅にあるんです。

P1050737_2

P1050713
P1050712
中はこんな感じ。

P1050741
結構、広いのです。
ああ、ここに住みたい

 

最後までありがとうございます。

パワーいただいております。

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千總の虞美人草小紋で漱石展

2013-06-07 17:55:46 | 文芸・作家の世界を訪...

先週、NHKの日曜美術館で放送されていた「漱石の美術世界展」に触発され、東京藝術大学美術館に行きました。

P1050412


漱石の作品に出てくる絵画などを展示するとともに、「虞美人草」の主人公藤尾の臨終のシーンに出てくる酒井抱一の作品(実際には漱石の創作)を、現代の画家が描いたり、「三四郎」の美禰子が東大の三四郎池にたたずむシーンを描いたりと、とてもユニークな美術展です。

「女はまぶしいと見えて、団扇を額のところにかざしている。」

 

三四郎が美禰子に一目ぼれするシーンですね。

美しいのでアップでも。

 

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P1050387

漱石は、おとなしい女性より、いわゆる「魔性の女」コケティッシュな、男性を翻弄するタイプがお好きなんですね。

 

その象徴が「虞美人草」

 

虞美人草は、ひなげし(丘の上ひなげしの花が~~。アグネス・チャン)というと可愛らしいけど、罌粟、ココリコという少し毒を含んだ花という気がします。

虞美人草は、中国の絶世の美女から出たネーミングです。

P2040079

東大の心字池(のちの三四郎池)。三四郎が美禰子を見初めた場所です。

 



漱石、よく読みましたが、長いあいだ忘れていました。

 

若いときには、あまりに教科書的だと勘違いしていたけど、「草枕」とか「夢十夜」とか幻想的ですごく面白いんですよね。

 

再読します

 

P1050434_2

「草枕」、字の大きいワイド版を購入

 

カキツバタの折り紙は、テラスで本をめくっていたら、どこかの教授らしき人が、去り際にポンと置いて、「あら!」というと、にこっと笑って「どうぞ」

 

うーん、さすが「漱石展」に来ている人、粋だわ。

 

ワタクシをゴミ箱と間違えたわけではないですよね

 

P1050422_2

P1050420usiro1_4

本日のきものは、やはり虞美人草小紋でしょう。

 

単衣の季節に小紋着ることあまりないのですが、この日に着ないでいつ着るのってところです。

 

P6062895gubijinn_7千總の単衣小紋に単衣紬の帯。

 

これは前に黒と合わせたけど(「椿尽くしで湯島のお茶会)、しっくりこなかった。

 

ひなげしといえば、やはりこの季節だよね。やはりその季節に合うようにできているのね。

 


帯は単衣紬の作り帯です。

帯は少しカジュアル過ぎました。

 

 

 

帯留はネコちゃん。

P6062884_2

 

まっ、それはともかく、「虞美人草」の藤尾の枕元に置いてあったという屏風。

P6072906


漱石は、こう書いています。名文!

 

 

 

「色は赤に描いた。紫に描いた。凡てが銀(しろがね)の中から生える。銀(しろがね)の中に咲く。落つるも銀(しろがね)の中と思わせる程に描いたー花は虞美人草である。落款は抱一である」(虞美人草」より)

 

ちなみに花言葉は恋の予感、おもいやり。

 

いやあ、面白かった。

 

漱石はやはり日本の宝です

応援ありがとうございます。

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三姉妹?で林芙美子邸&染の里「二葉苑」に

2013-06-01 21:33:38 | 文芸・作家の世界を訪...

おなじみ?(狭い範囲ではありますが)のH家三姉妹、姉が

「そろそろもう一つくらい別荘が欲しいわね」と仰るので、

「そうね、お姉さま。一度くらい素朴な日本家屋に住んでみたいわ」というと、

「それなら、作家の林芙美子さんのお宅なんかどうかしら。とても住みやすそうよ。別荘の参考になるかもしれなくてよ」と小母さまのお言葉により、落合にある林芙美子邸に見学に行くことにしました。

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いまや、森光子さんの舞台「放浪記」ですっかりおなじみになったあの縁側がこちら。

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玄関では森光子さん?がお迎えしてくれたわ。

この家屋の素晴らしさはいろいろありますが、まずはすべての部屋の南北が解放されていて、風の通り抜けがとてもいいこと。

毎日生活する者にとって、風の通り抜けはとても大切

それに居間は当然として、台所、風呂場といった場所がとても丁寧に作られています。

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棚は作り付け。

流しと床は人造石研ぎだしでできています。芙美子さんは意外にも?火事、いえ、家事が好きで、仕事の合間には料理を楽しんだそうよ。

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総檜でできた浴槽は、ちと狭いけど、天井には竹が張ってあり、通気がいい上、見た目も素敵

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こういう家の間取りはどれだけ見ていても飽きません

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小母さま(R子さん)のひょうたんの帯は手作りなのよ。素晴らしい!!

次に詳しく紹介させてください。

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お姉さま(Yさん)の緑の紬の帯は先日のフリマの帰りにゲットしたもの。いい色だわあ。

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本日のきもの。

木綿の絞り

帯は麻の絞り。これも手作りです。

帯揚げと帯締めはピンク。

居間にある廊下ででんぐり返りするつもりだったから、帯留はなしにしたのに、上がれなくて残念だったわ。

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ヘアは少しクラシカルにしてみました。

髪飾りはスズランのバレッタ。

林芙美子といえば、「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」という詩も有名だけど、正しくは~~

「生きている幸福は波間の�貎のごとく蕭蕭と漂う、生きている幸せはあなたも知っている、私も知っている

花の命は短くて、苦しきことのみ多けれど、

風も吹くなり 雲も光るなり」

苦しいことは多いけれど、風も吹くし、雲も光るよ」と希望に満ちたものだそうです。

よかった、よかった。

そうだよ、林さま、あれほどの苦労をなさっても、ついには作家として成功なさって、こんな素敵なおうちに住めたのだもの。

P6012748

お庭も素敵。

苦しきことのみ多けれど、風も吹くし、雲も光るよ」

次からはこう口ずさむことにしましょう。

このあと染の里、二葉苑を覗いたり、小母様の帯のすごい技も紹介したいし、話題がいっぱい。

また次にアップするので、よければ覗いてやってくださいね

応援ありがとうございます。

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大島開眼? 熊谷守一美術館へ

2013-03-16 20:01:47 | 文芸・作家の世界を訪...

千鳥ヶ淵のサクラ、サイタそうです

近くの公園の桜は、まだつぼみです。

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明日には咲くのかな。

先日、「ストレスフリー」なんて書いたせいか、今週は怒涛のストレス週間。花粉症さえ尻尾を巻いて逃げた?

ストレスさまを侮ったせいか、「逃がすものか」と捕まってしまいました。

解き放つために、豊島区の熊谷守一美術館に行ってきまし

た。

ご自宅を改装したもので、小さいけれど、心地いい空間です。

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入口&カフェ。

熊谷守一は、庭で一日中アリやメダカを眺めているような一風変わった画家、

「有名になりたいともお金が欲しいとも思わず、好きで絵を描いてきた」という人。

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96歳、美肌モードもなく、このイケメンぶり。

「年を取るのは、数が増えてにぎやかでよろしい」だって。素晴らしいお言葉です。

その絵も、名高い「蟻」や「猫」などの動物が多く、まあ、一日中庭で眺めていたのも、ひたすら動物が好きだから、とか。

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晩年にはこんな子どものような絵を。

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カフェで一休み


館内は展示室内以外は撮影OKになっています。

そこで、記念撮影。

本当は、この横で撮りたかったのだけれど~~。

若い頃の守一さま  イケメンです。

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美術界の「仙人」といわれるほど、俗界とは無縁の生活を送っていた守一さま。勲章も、「いらない」と拒否。

こんなストレスフリーの生活は、俗人には無理ですが、
(私がマネするとホームレスになりそう)彼の絵を眺めるだけで、ストレスは退散

 

 

でも、ストレスって、俗人には必要なんですって。

何が、どのようにストレスになっているか考える。それを腑分けして、不必要なものは捨てるーーこういう作業がパワーを生むとか。

着物のこと、忘れてました。

紺の大島&アンティークの桜帯です。

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後ろは、大きな桜が。

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紺地の大島、地味で、おばさんっぽくなるので(もう十分におばさんでしょう)敬遠していましたが、半襟や帯で少しは華やかさを出せるんだなと開眼

ピンクに桜の花がいっぱいの半襟。いくつかに金色刺繍しました。

これからはどんどん大島着ることにします。

それにしても、「ちょうどいい量のストレス」、どこかに売ってないものでしょうか。

いまちょっと多すぎるんですけど。

そのせいかどうかは不明ですが、花粉症も逃げたから、まっ、いいか。

あるといいな、心と身体にいいストレス!?

最後までお付き合い、ありがとうございました。

 

早く解消するよう

励ましのポチをありがとうございます。

 

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