ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

「女系家族」のきものを石田節子さんが

2014-07-17 08:54:22 | きものの本&本


発売中の「きものサロン」で面白い記事を見つけました。

衣裳「らくや」の石田節子さんが、小説のなかに登場するきものを実際にコーディネイトしているのです。

今回が初めてで、取り上げているのは山崎豊子さんの「女系家族」(新潮社)。


P1090518_2

きものは紫の絞りに綴れの帯です。

このシーン、なかなかにすごいシーンです。



「女系家族」という小説、船場の老舗の遺産相続をめぐってすさまじいばかりの強欲さが繰り広げられるのですが、

離婚して戻ってきた長女の藤代が、父親の「妾」(愛人)の家に押しかけていくときに着るのがこのきもの。



愛人文乃が子どもを身ごもり、「妊娠腎」で療養中。

そこへ、「値段の高そうな着物ばかりで、見ているだけでも、しんどうなりまんな」というくらいの派手な着物で、叔母を先頭に三人姉妹と番頭が押し掛けるわけです。



「薄紫の匹田絞りの着物に、臙脂唐草の本綴れを締めた豪華な衣装」と小説にありますが、モデルさんが華奢なせいか、藤子さんの意地悪パワーの迫力、今一つ伝わらないのが残念ですが、もちろんドラマを再現するのが目的ではありませんの
で~~。

D0085388

対する愛人は、寝床にいますから、寝間着を「白地に蚊絣の仕立ておろしの浴衣」に改め~~、とあります。

衣裳的には、分が悪いですが、蚊絣で毅然と対するほうがかえってすがすがしさは出ますね。



残念ながら、観ていないのですが(ビデオ屋さんになかったの)、映画では藤代を京マチ子さん、文乃は若尾文子さんです。

ドラマになったようですが、藤代に高島礼子さん、文之は米倉涼子さん、年齢は別にして、逆のほうが合っているような。

米倉さん、「私、病気になりませんから~~」とでも言いそうです。


P6294028

この小説、船場生まれ、船場育ちの山崎豊子さんらしく、当時の着物と、習慣が細かく記されていて、そちらがものすごく面白い。


たとえば、昔は「妾の本宅伺い」は草履は許されず、下駄履きと決められていただそうです。


「わかりました。気を付けます」

とは思いませんが、

ふーんと、思いますね。

そのほか、当時の着物の値段、「あんたかて、遺産相続したら、こんな着物なんぼでも買えるのだっせ」

なんてセリフがボロボロ出てきます。

そうかあ、遺産かあ~~。


この企画楽しみです。

私も、ほかの小説で、登場人物のマネをしてみようかな(できるのか?)。

持っている着物から逆に小説選ぶとすると~~、まっ、この「女系家族」は無理でしょうね。

いや、文乃が寝間着代わりに着る蚊絣なら持ってるぞ。


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マゾ心を刺激するかつて船場の衣替え」

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着つけプロセスが色っぽいのは小雪さんだから?

2014-07-15 09:36:51 | ドラマのなかの着物


たまたまBSで放送していた

トム・クルーズの「ラストサムライ」

この映画、杏さんの父親

(と、形容されるようになったのですね)の

渡辺謙さんが、

日本の文化やきものについて

いろいろアドヴァイスしたそうです。

そんな情報が頭に残っていたものだから、

最初に観たときにはスルーした

きものが出てくるシーンに目を凝らす~~。

 

P7124281_3

 

 

 

 

 

主役より、むしろ、背景の人たちが気になります。

いや、この映画、アメリカ人の監督、

スタッフなのに、少なくとも、

きものには違和感、ないです。

より専門的な目で見たうえでの

判断ではありませんので、あしからず。



その上で目の付け所が違うと驚いたのは、

トム・クルーズが、

「ラストサムライ」側にたち、

一緒に戦いにいくときに

着用するきものを小雪さんが着つけるシーンです。

 

お互い惹かれあっているけど、

それは目と目だけでそうと知れるだけ。

Koyuki1

 





そして戦いに向かうとき、

「~~これをお召しになってください」

と小雪さん演じる娘は、

まず、それまで着ていたトムの

きものを脱がします。



まあ、ここが色っぽいのはわかりますね。

次に、戦いのためのきものを

着つけていきます。

P7124285samurai

自分の感情があふれ出し、

思わずトムの背中に~~。

そう、着つけって、

お互いに身体と身体を密着させますよね。

特に着つけのこと、

何も知らない人には、かなり近づく~~。


P7124283te





小雪さんの手が、

トムのきものの襟合わせをしていきます~~。

この辺り、ぞくそくします。

 

脱がすだけが色っぽいわけではない、

着せていく過程のシーンもまた色っぽい。

男性が動かず、女性だけが動くことで、

余計に色っぽくなっているのかも。

ラブシーンとしても秀逸、

下手なベッドシーンなんかより、

よほどエロチックだと思いました。

ぜひ本編でご確認ください。

 

うーん、これって、外国人ならではの視点?

「夫婦善哉」や「ぼんち」など、

女性が男性のきものを

着せるシーンはありますが、

きものを肩にかける程度、

男は自分でささっと着てしまうので、

これほどのシーンにはならないんですね。

男の色気ともう一つの夫婦善哉

情報いただきました。

「武士の袴の着付け
奥方様のお仕事だそうです。

微妙な位置に紐を結ぶので…

そうなんですね。

初めて知りました。

日本映画にも、

そういうシーン、あまりないですよね。

知らない人、多いかも。


と…恩師に教わりました。
真相は?~~」

この映画、面白い個所、いろいろありますが、

このシーンだけで日本文化への貢献度高い~~。

 

映画を見て、娘が私の着付けを嫌がる理由がわかりました。

「~~そんなに近づかないで~~。髪が当たる~~、気持ち悪い~~」

「近づかないでって、言われても~~」

いや、これはわが家だけの現象かもしれませんが、



これを色っぽさにもっていく発想~~。

このシーンを思いついた人

すごいと思います。

 

こんなシーンを作るなんて、

そのうち国の人のほうが

日本の着物文化に詳しくなるかもしれません(悲)

それにしても、

 

きものは映画の観方さえ、

深くしてくれます。

 

関連記事

ドラマの着付けにいきなり違和感

小雪さんの夢二きもの」

「きものとファッションとエキゾチズム」

 

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刺繍朝顔帯・池袋の天狼院書店で撮影会

2014-07-14 07:45:14 | きものでお出かけ


今回の騒動では皆さまのご意見、「穏やかな反論」も含めてありがとうございました。

外部の「きものブロガー」マニア(?)の方々の、きものブログ全般に関する客観的なご意見もいただき、今後、ブログを書くにあたり、とても参考になりました。

パワー必要でしたが、アップしてよかった。

問題が解決したわけではありませんが、これまで漠然と「きものブログ」に感じていたポチ問題などの「クエッションマーク」、私のなかではいくぶんかクリアになりました。

これからのブログ、ブラッシュ・アップすべく頑張る、頑張れれば、~~いいなあ、と思っています。




さて梅雨と台風、きものにとっては恵まれない日々が続いております。

合間を縫って池袋の天狼院書店というユニークな書店で行われた「撮影会」に行ってまいりました。

P7124181usiro


この書店、前日に知人のイベントがあり参加、「フォト部」というのがあるよと聞き、早速参加させてもらったわけです。

今回のテーマは「夏の風物」

講師を呼ぶ回もあるそうですが、今回は自主トレ。

きもので行くともちろん、大受け!


P1090610


「きものは、後ろのお太鼓もポイントなんですよ」なんて、私のエラそうなダメだしにもかかわらず、皆さん喜んで撮影してくださいました。





この書店、狭いなかにもいろいろ工夫があり、きもの好きには
嬉しいことに、畳があるんです。

珍しいでしょう。

「えっ、これって私のために用意してくれたの」と、思わず聞きそうになりましたが(笑)、もちろんそうではありません。


P7124257shotenn2畳があるから、こんな撮影も、できちゃいます(喜!)

初対面なのに、常連の参加メンバーが一緒にノッてくれました。

P7124259tatami


P7124232_2

まっ、一応、そこで撮った写真をアップ。

 

その日のきものは、あまりの蒸し暑さに、小千谷縮。

朝顔の刺繍帯にしました。

P7124149sionn

P7124143 P7124262




帯揚げは緑のアザミの絽縮緬の生地。

帯締めは水色と鴇色のツートン。

撮影するので、帯留はなし。

小千谷紬、昨年は「三谷文楽・其礼成心中」

P7124217


書店ではいろんな楽しそうなイベントをやっています。

フェイスブックのほうがわかりやすいそうですが、私入っていないので。



誰でも参加できますので、興味のある方はぜひ。

私は、とりあえずフォト部参加。

「撮ってもらいたくて参加?」との友人の声もありますが、

マッ、一応?の大義名分は写真の腕を上げることです。

どうなることやら~~。

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久米島紬でトークショー・ふしぎ体験」

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きものでレトロ散歩・撮影会」

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ブログ・カテゴリーと着物愛

2014-07-08 21:11:40 | アート・文化


ブログカテゴリーについての件「すっきり」しないので、一人ブレスト(テーマを決めてあれこれ考えること)をしてみました。


まず、「和装・着物」というジャンルが非常に曖昧ですね。

「ふだん着」とか「アンティーク着物」は、だいたいわかりますが、「和装・着物」って、「きものに興味のある人」ならジャンルを問わずOKってネーミングだと思います。

「きものに興味はあるけど」、特にふだん着やアンティークが好きなわけではない。そういう人はたくさんいますから、とりあえず入る。

ところがそこに入ったものの~~~、ひしめいている状態(?)で、誰かに出ていってもらいたい?

そういうとき、一番わかりやすいのが「着つけ」の人だったのではないでしょうか。

内容も見ないで、ラベルだけで、「宣伝に使っている」ということになった??


でも、同じ「着つけ」でも、「仕事仲間と切磋琢磨したい」という人と「着物、もっと上手に着たいという人に見てもらいたい」という方等々、人それぞれ目的は違って当然です。

私のブログが、何にしよう、たとえば、「美術」のカテゴリーに入っても相手にされないだろうし、でもそのカテにとどまりたいと思えば、そのなかでいろいろ工夫していく~~。

「宣伝に使っている」というなら、ブログ自体有形、無形の違いはあれ「自分の宣伝」だから。

ブログの功罪 

こんなバカなことも宣伝の一種(汗)

P5032140

こんな着物が好き、着物を着てこんなところに行った~~。

それを読んで面白くないなら、スルーすればいいこと。


着付けの人だろうと、着つけ、上手になりたい(はい、私のことです)人だろうと、自分が入りたいカテに入ればいいと、やはり思います。

その上で、自分のブログの目的ーー認知症予防(私です)や、着物を多くの人に広めたい等々ーーに沿って書いていけばいいのではないでしょうか。

といっても、自分だったら、なかなか力いるよね、それを思うと、ホント嫌な気持ちになります。

カンペキなシステムはこの世に存在しないとは思いますが、

提案として「和装・着物」パート2を作るとか?

「きものプチプラ」など(これは例)、新しいジャンルを作るとか。

どんだけ安くて、どんだけの着物姿ができるか、とかね。(おい、それは高級品じゃないの、と言われたりして~~)



もう一つすっきりしない理由は、これまでの人生を着物に賭けて、たくさんの時間と努力を傾けてきた方が、第一、それだけ着物への愛が強いってことでしょう、そういう人が、誰かのたった一言で積み上げてきたものを壊される、とまでは言いませんが、傷つけられるのはたまらないです。

着物に向き合うエネルギーも情熱に雲泥の差があるのに(たぶん)、たった一言で~~、ですか(涙)。



私は、着物ブログなら、着物への愛情と工夫がランキングに反映している(まっ、これもムツカシイけど~~)のが一番望ましい形だと思います。

じゃあ、君は?と言われそうですが、大丈夫、すぐに下がって、落ち着くところに落ち着くから。

この帯も着付けの方に教えてもらった。

バーベリー帯を作る」

ブログ村のリンク

張らないとブログ村にアップされません。

ブログ村以外には用のない内容だから一応リンク張りますが、

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「海辺」コーディでりえさんの「海辺のカフカ」

2014-07-07 08:03:14 | 歌舞伎・演劇・映画

 

私の所属しているブログ人が秋には終了、

私の写真アップ枚数も限界に近づいております。

先のことはわかりませんが、

私なりに楽しいきものブログをアップしていきたいと思います。

未だうっとおしい曇天に覆われていますが、

 吹き飛ばすべく

村上春樹さん原作の「海辺のカフカ」の舞台を観てきました。

小説では50歳の設定の佐伯さんを

宮沢りえさんが演じます。

P1090609_3



同じ蜷川幸雄さん演出で、初演のときには田中裕子さんでした。

田中さんの舞台観たかったのですが、

 

 

 

 

仕事のため、先の予定が立たず、何

か月も先のチケット購入はできないので断念。

今回はオケピにお世話になりました。

いきなりの売り出しに万難を排して行ってまいりました。

きものは、「海辺」コーディにするか

 「カフカ(カラス)」コーディにするか迷い?ましたが、

 黒のカラスコーディは暑苦しかと、海辺コーディに。

 

P7024064usiro

紗きものに、絽の綴れです。

急いで着たため、襟など見えてますが。

原作は、大好きで何度か読んでいます。

思い込み強過ぎて観る前にドキドキ。

春樹さんは、「沈黙」など無言の圧迫いじめというか、

空気というか、形になりにくい「悪」を描ける

稀有な作家だと思います

誰の心にも潜む苛立ちとかちょっとした悪意が

エスカレートしていき、他人を傷つけるだけではなく、

自分を蝕み、スポイルしていく。



今回の「悪」の象徴は、カフカ君の実の父親。

原作同様、ねこ殺しでわかりやすくしています。

 

 

舞台は、いくつもの透明なガラスの箱を

移動させながら背景をどんどん変えていく素晴らしい演出。

 

下の写真は50歳の佐伯さん。

公式ブログよりもらい写真です。

 

 

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ガラス箱のなかに入った15歳(という設定)のりえさんが、

 

きれい&ものすごい存在感。

 

群青色のドレスを着て。こ

 

の人、現実と幻想のあいだというか、

 

現実に生きていない人という設定がとても似合います。

うーん、群青色のきものという選択もあったな。

次はこの色で(そっちですか)。

 

P7024073sionn5

 

P7024061kani

 



 

 

 

 

今回の主役は、翡翠の蟹。

写真ボケてます。

これをしたくて、舞台観たようなもの(いえいえ~~)。

 

帯揚げは、麻と木綿の生地。フ

ァブリック帯にしようと思って購入したものの、可愛い過ぎて。でもいつか作りたいと思います。

 



原作のなかでは、佐伯さんが作詞したという難解な歌があるのですが、

 

これがとてもきれいなメロディを付けて登場。

 

これは儲けものでした。

 

原作ではメロディないですから。

それにしても、15歳のカフカ君、悲惨です。

父親はネコ殺しで結局自滅、母親には捨てられ~~。

「世界で一番タフな15歳になる」と、

一人で殺伐としたこの世界を生き抜く決意をするなんて、

健気だよね。涙が出てきます。

抱きしめてあげたい、嫌がられるだろうけど。

 



カフカ君に倣って「住んでいる区内で、

 

一番タフな60代になりたい」とセコい決意をする紫苑でした。

いや、セコイどころか結構大きい望みだと思うよ。

関連記事

宮沢りえさんの超カッコいい、モダンきもの

「miwa」などほかのりえさんの記事もレイアーになっています。

色彩をめぐる春樹と志村ふくみの架空対談」(架空です!)

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ブログ・カテゴリー決めるのは誰?

2014-07-05 09:33:46 | アート・文化

着付けの方が「着物・和装」からどんどんいなくなって寂しいです。

着つけの方の記事、すべてがビジネスというわけではなく、工夫していらっしゃる方も多く、参考になることも多く、よく覗いています。

近くにあるとやはり覗きやすいですから。

「着付けの方はカテゴリー変えてください」というブログ村からのお知らせは私も読みました。

でも、これって「決まり」でも規則でもなく「お願いごと」だと私は判断しました。

校則違反を捕まえるみたいに、誰かが「あなたは移ってください」と言う(仕切る)ほどのことなのでしょうか。

なんでこういうこと言うのかなあ。

ブログ村のカテゴリーって、所属している方は皆、大人なんだから自分で決めればいいのではないでしょうか?

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記事が軽すぎるせいか、ブログ村に反映されません。

借り写真と、お世話になったブログ村に関する記事を入れておきます。

きものという自分磨き」

ブログ村のバナー張らないと、ブログ村に反映されないそうです。

不愉快に感じる方はもちろん無視してください。

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型染め帯・「クールな男とおしゃれな女」展へ

2014-07-04 08:19:52 | アート・美術展


梅雨の合間、広尾の山種美術館に行ってきました。

「クールな男とおしゃれな女」というタイトルに魅かれました。

P1090583



古来、女より男のほうがおしゃれだと言われますが、今回、日本でもそれをしっかり確認。

上の写真の左の男性は仙台藩、伊達正宗の命によりローマに渡った支倉常長です。

ローマの街を背景にダルメシアンを従えた様子は、今のファッション雑誌のよう。

もちろん、実際の彼ではなくあくまで画家の想像で描いたものですが、

「史実をもとに描くとき、勝手なデフォルメはだめ、かといって故実にばかり寄っていては作品にならない~~」と絵画が(ドラマのきものも?)、虚と実のあわいを綱渡りのようにわたって初めて作品となることがわかります。

この美術館、きもの割引があって、それを使うためにも(?)、きものでお出かけ。

P7024044



小千谷縮に夏野菜&果物の型染めです。

割引の二百円分の価値はあるでしょうか~?

このときの帯と同じ。

型染めの魅力ー芹沢銈介美術館に



この展覧会で、いくつかのことを私なりに発見?しました。

まず、日本歴史上、もっとも先鋭的なおしゃれ男は織田信長である。

彼は「片身変わり」のきものが好きで、義理の父になる斎藤道三に会いにいくといも、出陣の前に舞を舞うときも片身変わり。

のちに外国のファッションを積極的に取り入れるセンスもあるしね。


次は、憧れの「吉野格子」の帯。

その格子模様って、島原の名高い花魁「吉野太夫」がよく身につけていたことからのネーミングなんですね。

Photo
原由美子さんも着用。

どんなきものにも合って便利そう。

次なる目標かな~~。

P7024075

 

もう一つ知ったのは「曲水の宴」という桃山時代の女性の遊び。

水に酒の杯を流し、それが通り過ぎるまでに詩歌を詠むという。

高い教養と才能が必要だわね、こんな遊びをするには~~。

というわけで、きもの割引のお蔭で(?)少し賢くなれた、つもりの紫苑でした。

P7024057sionn2

P7024059

野菜と果物だけではタンパク質が足りないので?、お魚の帯留をプラス。帯揚げは甕覗(かめのぞき・ブルー)で涼しく。

ランチも夏野菜とキスのてんぷら。

P1090580









もう、ざっくりと着ますよ。

ふだん着は多少、乱れていたくらいのほうが着なれて見える、とこれも発見。

自己マンかもしれませんが。

山種のカフェで、美味しい抹茶と花氷というお菓子をいただきました。

P1090586


皆様もご一緒にどうぞ。

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小雪さんの夢二きもの

2014-07-03 08:33:58 | きものの本&本


大正・昭和初期つながりではないけど、出先で見た女性誌「プレシャス」(小学館)で小雪さんが「夢二」の女性をイメージしてきものを着ているページを見つけました。

このところ、この時期のきもの着つけが気になる~~


P1090515_2あまりにも有名な黒猫を抱いた「黒船屋」

モデルは、お葉(佐々木カヨ子)、あるいは夢二永遠の恋人ともいわれる「彦乃」とも言われています。

C0089352_944837



小雪さんは、少し元気過ぎる気がしないでもありませんが、「夢二の女性は小雪さんに似ている」説もあるんだとか。

写真でもしどけなさを出しています。

P1090516夏きものというところがいいですね。

こちら、帯はピンクっぽい博多であっさりと。

先の猫を抱いているきものと同じです。




若い頃に、「夢二~恋する夢二」という映画を見たことがあります。

沢田研二さん(ジュリー)の「夢二」(1991年公開)ではなく、もっと古いヤツ。

「恋する夢二~~」1972年制作だって!

奥様のたまきがえーと、名前が出てこない、そうだ、梶芽衣子。

「女囚・さそり」や「修羅雪姫」なんかやった人です。(知ってる?)

永遠の恋人「彦乃」は中野良子さんでした。

きれいでした。

ジュリーのも見ましたが、最初に観たときの方が印象に残っています。

夢二は、誰だったか忘れたけど、調べてみるとなんと北大路 欣也さん。

携帯電話のCDで犬の声をやっている人(笑)です。


P1090513



そんな昔の話はともかく、小雪さんの夢二女性、いいですね。

グレーの小千谷縮かな。

黒の帯を締めて、ピンクっぽい帯締めです。

現代ものでも、後れ毛を少し作るだけで夢二っぽくなるから不思議です。

タイトル効果と、小雪さんの演技力(モデル力?)でしょうか。


この雑誌、表紙が小雪さんですが、毎号、きもの着ているのでしょうか。

今度古い号調べてみます。

先の「ドラマの着付けにいきなり違和感」で「きものドラマに出る予定の女優さんは、着付けの特訓をしてほしい」と書きました。

もちろん、する方もいらっしゃいますね。

いろんなことをよく調べていて敬愛するブログ「和洋折衷」のtomoさんが素敵なことを教えてくれました。

「ごちそうさんの杏さんが
朝ドラの後のあさイチに出演された時に
ノートを公開されていたのですが
着付けのことかなり細かく書いていらっしゃいました。
ちょっとうれしいし女優さんってすごいなと思いました。

~~おそらく杏さんも鈴木保奈美さんも
撮影は自装ではないと思いますが。
もしかしたらこう着たいってリクエストを
着付け師さんにお願いしていたかも?」

もちろんほかにもたくさんいらっしゃるんでしょうが、もっともっときもの着て欲しいです、それをいろんな形でドラマに生かしてほしいです。きものファンとしては~~。


関連記事

昔?は女優さん着つけ必修って聞いたことありますが~~。


上品おきゃんな素が見えるー中野良子さんのきもの」

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ドラマの着付けにいきなり違和感

2014-07-01 09:34:45 | アート・文化

先に「昭和初期風」の着付けをしたあとで、「花子とアン」を見ると、いきなりその着付けに違和感を感じてしまいました。

たった一度なのに、これは自分でも不思議。


P6043523

きっちりとした性格が出ているとしか思わなかった花さんの着付け。

P6294018


きれいとしか思わなかった蓮子さまの着付け。

しかし、いく大富豪の奥様でも、普段はもっとリラックスした着方をしてもいいのでは?

花さんにしても、忙しい身で自分で着る(設定)なわけだから、それこそ一糸乱れていない着方はちょっと不自然?

戦前までは、自分で着ていたわけだから、今からみると多少の乱れは普通。

下は白蓮さま。

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「ごちそうさま」はもう少し緩かったような気がします。

ドラマですからと言ってしまえば、それまでですが、杉村春子さんなど、ドラマでももっとリラックス、そこにご本人の個性やら人柄が表れているように思いました。

さすがの着こなし杉村春子さん」

P1060641


「花子とアン」、女学校時代でも、生徒さんたちの着方、ほとんど違いがない。

201l


一度試したくらいで、と言われそうではありますが、自分が抱き始めた違和感はいかんともしがたい。

「花子とアン」、現在放送しているので、わかりやすい例としてあげています。(念のため)



下の写真は「細雪」のモデルになった姉妹。

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やはり自分の顔型や雰囲気を知った着こなしをしているように思えます。

帯周りは緩く、補正はしていないよう。

やはり上の生徒さんと比べると、それぞれの個性が出ているように思えますがいかがでしょうか。

映画の「細雪」

姉の着付けを手伝う佐久間良子さんと岸恵子さん。

0

 

ドラマには着付け師さんがいらっしゃるわけだけど、時代背景を少しだけ考がえて、もう少し「普通」に着てもいいかも、と思いました。

それとも、先に私が経験したように、もう「昭和初期」の着付けは難しい~~。

着付け師さんも、できる人は少ないのかもしれません。

現代では「緩く着つけする」ために着付け師さんにお願いする人、いませんものね。

時代考証家という仕事があるように、「時代考証着つけ師」、どなたかやってくれないかしら。

あるのかな?


あるいは、こういう戦前のドラマに出る女優さんは、わき役も含めて、きものを自分で着る特訓をする。

その上で着つけさんに、ちょこちょこっと直してもらうとかね。

そうすると、女優さん志望は「きもの着つけ」は必修となり、少しはきもの文化に貢献できるかも?

そのほうが個性と画面に変化が出るのでは。

「寝坊して出た朝」と「好きな人に会うとき」と、着付けにも違いがでると面白いと思いますが、今やそんな細かい「きもの芸」は無理なのでしょうか。

時代が違うのに、また同じ時代でも、皆が同じような着付けになること、それはきものにとってもあまりシアワセなことではないような気がします。

私自身はきれいな着付けと普段着付けと、メリハリある着方ができるといいな。



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