近くのスーパーがドラッグストアに変わった。
建物の高さが少し低くなったので、里山が見通せるようになった。
屋根越しに見る緑の山に白っぽいものが点々とちりばめられている。
早咲きの山桜や白蓮なのだと思う。
先日都合があって公園の桜の咲き具合を見に行ったら山桜がチラホラと咲いていた。
桜と言えばソメイヨシノが代表的だが、一昨年東北の桜を見に行ってからしだれ桜もいいなと思ったものだ。
福島県の三春の滝桜とか、秋田県角館の桜もよかった。
こんなに良いものなのに、なぜ全国にもっと普及しないのかが不思議だ。
去年は近傍の桜を見に行ったが、何としだれ桜が何本も植えられていて花が咲いていた。
開花時期や花の期間が違って長く楽しめるからいろいろな種類を植えればいいのだ。
そうした桜の中でも、一番心を動かされるのはやはり子供の頃から馴染んだ種類だ。
私の場合は山桜である。
昔から行われている4月4日の先祖祭には山桜がお墓の上で咲き誇る。
祖母に連れられて私の母の月命日には必ず墓参したものだ。
その祖母も墓に眠って早30年以上が過ぎた。
山桜は変わらず季節に応じた佇まいで私達を迎えてくれる。
多分たどれば同じ先祖に行き着くのであろうが、まったく見知らぬ顔も多いこの祭。
それでも、この日は見知らぬものも知り合いも一緒に先祖を供養する。
今年も、もうすぐ先祖祭がやってくる。
山桜は変わらず咲いているはずだ。