ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

将王 6手目 「新将王」

2015-12-29 22:05:32 | 小説
2年後、21歳になった小倉は再び将王への挑戦権を掴んだ。時の将王は中多である。中多は前年、川野を下し将王に復位した。将王在位は通算9期となり前人未到の通算十期に王手をかけていた。

戦前の予想は割れていた。若さの小倉か、それとも実績、経験の中多か。すでに40才を過ぎた中多に衰えを指摘する声もあった。

悲願の十期達成か、初の将王位で世代交代か。注目の中で始まった将王戦7番勝負は第一局を小倉、第二局を中多が取り返し、1勝1敗で迎えた第三局。互いに一歩も譲らぬ熱戦となった。形成不明のまま終盤までもつれ込んだが、最後は小倉が超手数の詰みを読みきり、勝利した。

この勝負で小倉が勢いに乗ったのか、中多が落胆したのか、四局、五局は小倉が力で中多をねじ伏せ、4勝1敗で初の将王の座に就いた。

「嬉しいです。将王になるのが子供の頃からの夢でしたから。地位に恥じないような将棋を指していきたいです」。

局後のインタビューで小倉は笑顔を交え、そう話した。
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