午前1時過ぎ。自宅へ帰ると、美由の父親の心配そうな眼差しと、母親の険しい顔があった。
「美由、いま何時だと思っているの」
早速、母親の叱責が飛んだ。激しい口調だった。
「まあまあ、そんなに怒らなくても」
父親はあきらかに困惑している。
「そんな甘い顔しないであなたからも叱ってください」
「うん、そうだな。美由、遊ぶのも結構だけど、電話の一本ぐらいはかけてきなさい。お父さんやお母さんは心配していたんだよ」
「すみませんでした」
美由が小さくなって、頭を下げた。
「まあ無事に帰ってきてよかった。もういいからゆっくり休みなさい」
「あなたは甘すぎます。今日に限らず最近、この子おかしいわよ。悪い友達でもいるのかしら。アルバイトの事だってお母さんは許した訳じゃありません。お小遣いだって十分与えているでしょ」
「それは・・・」
母親のヒステリックな様子に、美由はすっかりひるんでしまっている。そろそろ僕の出番だ。
「だったらお小遣いはいりません。その代わり、アルバイトは続けるつもり。お金のことだけでなく、社会勉強にもなるし」
「何もアルバイトだけが社会勉強じゃないわ。それにそうした社会勉強なら、大学を卒業してからだって、いくらでも出来るじゃない。一流企業に就職すれば、一流の社会勉強が出来るわ。それに一流の男性とも出会えるの」
母親の眉間のシワがさらに深まった。唇が小刻みに震えている。これ以上の反論は危険だ。この家族はガラスの絆だ。わずかな衝突で壊れてしまう。
「とにかく、今日はもう遅いから、また改めて話し合えばいい」
父親は娘が心配というより、とりあえずこの場から一刻も早く逃げたいようだ。
「何かこの子、急に別人になったみたい」
最後に母親が呟くように言った。
「美由、いま何時だと思っているの」
早速、母親の叱責が飛んだ。激しい口調だった。
「まあまあ、そんなに怒らなくても」
父親はあきらかに困惑している。
「そんな甘い顔しないであなたからも叱ってください」
「うん、そうだな。美由、遊ぶのも結構だけど、電話の一本ぐらいはかけてきなさい。お父さんやお母さんは心配していたんだよ」
「すみませんでした」
美由が小さくなって、頭を下げた。
「まあ無事に帰ってきてよかった。もういいからゆっくり休みなさい」
「あなたは甘すぎます。今日に限らず最近、この子おかしいわよ。悪い友達でもいるのかしら。アルバイトの事だってお母さんは許した訳じゃありません。お小遣いだって十分与えているでしょ」
「それは・・・」
母親のヒステリックな様子に、美由はすっかりひるんでしまっている。そろそろ僕の出番だ。
「だったらお小遣いはいりません。その代わり、アルバイトは続けるつもり。お金のことだけでなく、社会勉強にもなるし」
「何もアルバイトだけが社会勉強じゃないわ。それにそうした社会勉強なら、大学を卒業してからだって、いくらでも出来るじゃない。一流企業に就職すれば、一流の社会勉強が出来るわ。それに一流の男性とも出会えるの」
母親の眉間のシワがさらに深まった。唇が小刻みに震えている。これ以上の反論は危険だ。この家族はガラスの絆だ。わずかな衝突で壊れてしまう。
「とにかく、今日はもう遅いから、また改めて話し合えばいい」
父親は娘が心配というより、とりあえずこの場から一刻も早く逃げたいようだ。
「何かこの子、急に別人になったみたい」
最後に母親が呟くように言った。