ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

重たい海岸

2019-07-31 10:31:57 | 
砂の矢印は向こう側
僕は疑いもせず従った
埋もれて引き返すのは無理なようで
そのまま眩しい海を横目に進むだけ
周りには夏を満喫する音があちこちで聞かれ
背伸びして見渡せば水着姿で楽しみの栄華

重く柔らかい砂浜に足を取られ
それを引っこ抜いて前へ進むしかない
しだいに波も荒くなって
しぶきの音を立て僕はそれを被る
足はすっかり重くなった
太陽も届かなくなってきた
騒めきがかすかに聞こえるだけ

このまま海に飲まれようか
それとも砂に埋もれ白骨となり
昔の日本人として未来の学者の研究対象となろうか
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする