真夏のショーウィンドウ 太陽が反射して
真っ白な舗道を
ふと誰かとすれ違った気がした
あれは多分16の私
制限の帰り道 覗き込んだディスプレイ
ハイヒールがとても眩しかった あの頃
初めてキスした夜 ママに嘘ついたけど
知りたかっただけなの 変わっていく自分を
恋をしてときめいて陽炎にゆれる未来を
恋をしてときめいて手のひらかざし見つめてた
夢は何色 愛は何色 幸せは何色
夏のタイムマシーン 少女の私に伝えてよ
あの日探してた答えは今も出せないけど
夏のタイムマシーン 大丈夫だよと伝えてよ
あの日輝いてたその瞳に負けないくらい
一生懸命泣いて 一生懸命悩んで
一生懸命頑張っているから
作詞は田口俊。作曲は筒美京平。1988年発売。この曲、リアルタイムでは覚えがないです。次の「怪盗ルビイ」はよく分かりますが。ただ、後に知って、小泉今日子の曲の中でも個人的には上位に入ります。
「真夏のショーウィンドウ、太陽が反射して、真っ白な舗道をふと誰かとすれ違った気がした。あれは多分16の私」
タイムマシーンに乗って、当時22才の小泉さんが過去に戻ります。今にして思えば16才も22才も若いのですが、当時の小泉さんはアイドルとしてベテランで、主流から外れつつあった時期だと思います。
当時の女性アイドルは10代がピークで20才を過ぎると下降線をたどるパターンがほとんどでした。
それでも別格の松田聖子、中森明菜20才の壁を難なく越えて、第三極のスーパーアイドルだった小泉さんも20才を過ぎても人気が落ちることはありませんでした。
その後、CM女王になり、本格的な女優に転身しました。アイドルから上手く脱皮した数少ない成功例だと思います。
「夏のタイムマシーン」の歌詞を拡げて見ると、当時のアイドルの22才というのは一般に当てはめれば40代以上の中高年といえます。
「夏のタイムマシーン、少女の私に伝えてよ。あの日輝いてたその瞳に負けないくらい一生懸命泣いて、一生懸命悩んで、一生懸命頑張っているから
」
「夏のタイムマシーン」はかつて少年、少女だった大人たちに、あの頃の気持ちを忘れずにいるかと問いかけているような気がします。