昨日、A級順位戦プレーオフが行われ、7勝2敗で並んでいた藤井聡太竜王対広瀬章人八段戦は、藤井竜王が勝ちました。角換わりから先手の藤井竜王が攻め、広瀬章人八段が受ける展開。終盤、広瀬八段も反撃に転じましたが、僅かに及ばず藤井竜王が勝利し、名人挑戦を決めました。
珍しく決着がつくまで見ていましたが、ずいぶん記者が多く詰めかけていました。勿論、コロナが少し落ち着いていることもありますが、やはり「藤井、名人挑戦なるか」が注目を集めたようです。
谷川浩司十七世名人の最年少名人記録の期待がかかる藤井竜王に記者がお馴染みの質問をするのですが、いつもと少し違いました。「戦っている間は全く意識しない」と前置きした上で「谷川先生の記録に挑戦できるのは光栄なことです」と口にしました。子供の頃からの憧れである名人と谷川浩司。その後ろ姿をいよいよ視界にとらえました。
敗れた広瀬八段もこの対局には期するものがあったはずです。30代半ばの指し盛りとはいえ、もしかしたらこれが最後のチャンスかもしれないという思いがあっても不思議ではありません。何せ15才下の怪物がいますから、今後はなかなか大変でしょう。しかし、広瀬さんにも諦めず、頑張って欲しいです。
現在、4人の中学生棋士たちが輝きを放っています。藤井君は勿論ですが、王将戦で藤井竜王と内容的には互角以上に戦っているようにも映る羽生九段。いま、羽生さんは時の人ですね。
それから、棋王戦で後のない状況で、170手を越える藤井竜王との激闘を制した渡辺名人。少し藤井コンプレックスを払拭できたかもしれません。
そして昨日、藤井竜王も連敗中の実力派である大橋七段を降した谷川十七世名人。谷川さんはかつてのライバルである羽生さんの活躍が刺激になっている気がします。還暦を過ぎましたが、将棋は子供から年配者まで戦えるゲームです。谷川さんにはまだまだ現役での活躍を期待します。
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