メキシコの「ダナン三日月」で行われた棋聖戦第1局は藤井聡太棋聖が佐々木大地七段を下し、名人初戦を白星で飾りました。
久しぶりの海外対局でした。どの程度かは知りませんが、ベトナムで将棋の人気が高まっているそうで、その普及を兼ねてのものだと思います。
例えばベトナムで一定数の若者が将棋を覚え、その中からどの程度の実力者が育つかは興味深いです。
女流棋士が男性のプロ棋士に追いつけない理由の1つに歴史の浅さという推測があります。しかし、もしベトナムなど、海外の若者がプロ棋士並みの実力をつけたとしたら、歴史が浅いからという理由は消えます。
対局ですが藤井棋聖は初挑戦の佐々木七段相手に得意の角換わりから、佐々木七段の追い上げを振り切り、第1局に勝利しました。藤井さんにとっても名人となって初対局であり、初の海外対局でもありました。思い出に残る対局になったのではと思います。
対する佐々木七段は苦いタイトル戦デビューとなりました。藤井さんとは違った意味で佐々木さんも将棋の神様に愛されているはずです。
彼は子供の頃、重い心臓病を患っていて、師匠の深浦九段と初めて会った時には体に多くの管が繋がれていて、深浦さんも心配になったそうです。しかし、将棋の力なのか今ではフットサル好きの健康的な青年になりました。
全く違う環境で幼少期を過ごした2人の若者が、彼らが愛してきた将棋を通してぶつかっている。互いにとって幸せな時間だと思います。
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