白雲去来

蜷川正大の日々是口実

何か嬉しい一日だった。

2009-08-27 22:22:05 | インポート

八月二十六日(水)晴れ。

 今日の朝食は、最高の献立。まず大好きな水戸の「船納豆」に、北海道の「山わさび」、千葉の「サバの文化干し」。至福の時だ。しかし考えてみれば、皆頂き物だ。感謝合掌。

 食後に産経新聞の「産経抄」を見てニヤリ。先日、私が観て、とても感動した映画に触れていたのである。その映画とは、ヒトラーがドイツの政権を掌握した翌年一九三四年、ニュルンベルグで開催されたナチス党の党大会を記録した、レニ・リーフェンシュタイン監督の「遺志の勝利」である。

  「夜の九時十分からの上映というのに、渋谷の小さな映画館の客席は、ほとんど埋まっていた。『映画史上最大の問題作』ともいわれる七十五年前にレニ・リーフェンシュタール監督が撮った『遺志の勝利』は、今も人々の好奇心を刺激してやまない」と。 

 この映画は今でもドイツでは上映が禁止されている。そして、この映画を作ったレニは、ナチの協力者との烙印を押されて、戦後不遇をかこった。しかし、これは魔女裁判のようなもので、彼女は決してナチの協力者でもなければ、党員でもなかった。その証拠に、宣伝相のゲッペルスから不当な扱いをされたことは有名なエピソードである。「産経抄」は、何も、ナチや、その映画の影響について絶賛しているわけではない。連日テレビで放送されている政見放送のおそまつさに比して、レニの作品を評価しているだけだ。

 「遺志の勝利」は、残念ながら、日本ではソフト化されておらず、どうしても見たいと思ったなら、インターネットで、ドイツ語版で英語の字幕がついたものしか手に入らないが、映画そののものは、多少の演説があるだけで、台詞が一切無いので、ドイツ語が分からなくとも、臨場感は味わえる。私は、記録映画の中で、レニの、この「遺志の勝利」と、ベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」をしのぐ作品を知らない。ドキュメンタリーの最高傑作と言っても過言ではない。もし、レニが生きていて、「幸福実現党」や他の宗教団体のプロパガンダ映画を作ったならば・・・。それを考えると恐ろしい。

 午後から、私が敬愛する台湾在住の大陸浪人阿部英樹さんの新刊が上梓されたので、上の子供と一緒に伊勢佐木町の有隣堂に行く。阿部さんについては、いずれ詳しく書かせて頂くが、その破天荒な生き様には驚かされるが、教養の高さにも驚かされる。その阿部さんが講談社α文庫から上梓されたのが、自叙伝とも言うべき「ケンカ番長放浪記ー世界のマフィアを相手にして」(八百三十八円)である。書店では平積みで置いてあったのですぐに分かった。

 好きな本を手にするとき、何か、好きな女性にめぐり合ったような気がして、ドキドキする。早く家に帰って、焼酎を片手に読みたいと心がはやる。ふと、書棚に目をやれば、日頃からお世話になっているライターの夏原武さんの本、「ヤクザも惚れた仁侠映画」(四百八十円)が目に留まった。オオッこれも偶然ではない必然的な出会い、と思って買った。今日は何と良い日なのだろうか。

 夜は、まだ残っている「三岳」をロックで読書三昧。人生とは良いものだ。

0623 最高に面白いです。

0624 夏原さんの本。映画好きには、たまらんですぞ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

良い人達と、良い店で。

2009-08-27 17:49:26 | インポート

八月二十五日(火)晴れ。

 残暑厳しき、と言うのか、それとも秋晴れなのか、良い天気が続いている。何度も書いて申し訳ないが、朝、起きて、天気が良いと、何かとても得をした気持ちになる。

 選挙も愈々終盤戦に入った。各マスコミの世論調査によれば、民主党が三百議席を超えて単独過半数に迫る勢いで、自民党は、百前後に凋落する、というのが統一した見方である。週刊朝日の九月四日号では、「ズバリ民主三百七」と頁の見出しにあった。閣僚の経験者はもとより海部や森喜朗といった総理大臣経験者までもが当落線上にいるとのこと。せめて終戦記念の日に、麻生総理が靖国神社に参拝して民主党との違いを行動で示していたのなら、もう少し逆風も弱まったかもしれない。まあ富士山の噴火ではないが、一度、見て見たい(民主党の政権を)、と言うのが国民の素直な気持ちではないだろうか。それでも個人的には、民主党の「顔」と呼ばれている四人に一人も好きな者がいない。

 夕方まで一日事務所にて仕事。「大吼」の秋号の編集ももう一息だ。夜は、社友の松本佳展君と彼の弟氏に誘われて、横浜駅西口近くの創作和食のお店に連れて行って頂いた。何でも、松本君の弟氏と同級生の方の経営する店とのことだが、とても感じの良いお店だった。黒を基調とした内装の店内は、和食屋というよりも、オシャレなバーのような感じである。

 一見、高級な店のような感じだが、メニューを見れば、値段は庶民的だ。また、若い店長だが、日本酒、焼酎にとても知識があり、まるで日本酒のソムリエのようで、丁寧に料理やお酒を説明してくれる。料理長も紹介して頂いたが、東京の和食の有名店で修行をしてきただけあって、高級料亭にもひけをとらない。

 オーナー氏とも共に飲ませて頂いた。育ちの良さが、そのまま人柄に表れているような人で、話をしていてとても感じが良かった。料理に舌鼓を打ち、良き人達との酒席。正に人生の至福の時である。以前、「暴対法」に関連して、野村先生と京都のさる任侠界の大物の方と食事をしたことがあった。その二次会の高級クラブでの話し。その方が、頭山満の言葉ですが、と前置きして、「今まで、美味いもの、珍しいものを随分と食べたが、やはり一番、美味なのは『人間味』である」という話をされた。

 そんな話を思い出した、今日の酒席でした。松本君ご兄弟と、紹介して頂いたオーナー氏に感謝。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする