八月七日(金)曇り。
朝食の後に、家のことを済ませてから渋谷行き。以前は、横浜まで出てから、東横線に乗り換えてしか渋谷には行けなかったが、今では、湘南新宿ラインで、一本で行ける。
昨日、インターネットで場所を調べておいた渋谷のさくら通りにある「シアターN」へ。ここで上映されている、ナチス党の党大会を記録した映画「意思の勝利」を見に行った。十一時十五分上映。会場は六割程度の客で埋まっていた。上映の前に、配給会社が入れたのであろう、ホローコーストの言い訳や、陳腐な反戦のメッセージがスクリーンに映し出され、ウンザリした。ナチの行なった、ホローコーストを支持する者など、まずいないに違いあるまい。この映画の出来、不出来だけを観客は評価すればよいのだ。無料ではないのだ、金を払って観に来ているのだから、製作意図とは違う解説など全く必要は無い。
映画の評価を先に言えば、最高の映画だった。私が過去に観たドキュメンタリーの中の最高傑作と言って良いものだった。本当に感動した。午前中一回だけで、後はレイトショーだったので、帰って来てしまったが、もう一度最初から観たいという欲求を打ち消すのが大変だった。さすがにレニ・リーフェンシュタイン監督である。七十年も前の映画なのに全く色褪せない。DVD化されないのが残念でならない。
まず党大会の行なわれるニュルンベルグに到着するヒトラーの乗った飛行機の映像から始まる。ヒトラーを迎える人達の熱狂と感動と興奮。彼に対する羨望と尊敬の眼差し。第一次世界大戦の敗北で疲弊した経済を復興させ、祖国の名誉を回復したヒトラーに国民は大喝采をおくり、彼を支持する。ヒトラーユーゲントのキャンプ風景、突撃隊や親衛隊の行進、彼の演説に酔う国民。解説では、カメラは十六台、スタッフは百人以上、使用したフィルムは六十時間を超えたそうだ。
私はナチの信奉者では無い。映画は映画、ナチはナチ、として割り切っている。観終わって気がついたことだが、過去に見たナチ関係の映画の中で、この「意思の勝利」からのカットが実に多い、と言うことだ。どこかで見たことのあるシーンが随分とあった。
夜は、下の子供が一週間ぶりに合宿から戻ってきたので、自宅でのんびりと食事。家飲みである。