白雲去来

蜷川正大の日々是口実

ロシアの申し入れは、片腹痛い。

2011-04-19 18:08:17 | インポート

四月十五日(金)曇り。

 ロシアなどが、福島の原発事故において、放射性物質を含んだ水を海に流したことに対して文句を言っているらしいが、片腹痛いとはこのことだ。

 1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故は、後に決められた国際原子力事象評価尺度 (INES) において最悪のレベル7の参考事例として知られている。チェルノブイリの4号炉は炉心溶融(メルトダウン)ののち爆発し、放射性降下物がウクライナ・白ロシア(ベラルーシ)・ロシアなどを汚染した。事故後のソ連政府の対応の遅れも相まって被害が拡大・広範化し、史上最悪の原子力事故となった。

 この規模の原発事故は発生時点では他に例がなく、当時は原子力開発の歴史上で最悪の事故と言われていた。しかし、この最悪な事故が起きた時、当時のソ連は一切の公表をしなかった。二日後になって、スウェーデンのフォルスマルク原子力発電所にてこの事故が原因の放射性物質が検出され、世界中がパニックとなって、ようやく、ソ連も事故の公表に踏み切った。当時のスウェーデンの科学者は核戦争が起きたと本気で考えたほどの事故だった。

 また最近、映画にもなった有名な「カティンの森事件」。この事件は、第二次世界大戦初期に、ソ連のスモレンスクにほど近いカティンの森で、約25,000人ものポーランド人の戦争捕虜・インテリ・軍幹部などが、ソ連のNKVD(ソ連の内務省、秘密警察)によって、銃殺され埋められたのである。しかし、ソ連は、これをナチスドイツの仕業と言って、認めようとはしなかった。

 2009年になって、ようやくロシアのプーチン首相はポーランドを訪問した際、事件を「犯罪」と呼び、翌年の4月7日、プーチン首相はポーランドのトゥスク首相と共にスモレンスク郊外の慰霊碑に揃って跪き、さらに事件を「正当化できない全体主義による残虐行為」とソ連の責任を認めた。ただし、ロシア国民に罪をかぶせるのは間違っていると主張し、謝罪はしていないのである。

 こんな事は枚挙に暇がない。例えば、日本の原発事故をよそに、ロシア軍は、偵察機を度々日本の領空に接近させ情報収集を行なっている。こんな国から文句を言われる筋合いはない。

 

 


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日本の危機管理の原点は、「ありえない」という所から始まっている。

2011-04-19 17:49:07 | インポート

四月十四日(木)曇り。

 当たり前だが、連日、震災関連のニュースと原発報道ばかりだ。津波で住宅や工場、あるいは漁船などを失ったのは、時間と金を掛ければ元通りになるのだろうが、原発はそうも行かない。最初の頃は、テレビに釘付けとなって、専門用語を理解しようと一生懸命だったが、この頃は、聞いても仕方ないと、ほとんど見なくなった。政府、東電、保安委のどの発表が正確なのか、正直なのか、素人の私には全く理解できないからだ。

 先日も、スーパーに行ったら、どう見ても八十過ぎのおばあさんが、ほうれん草を手にとって、隣の爺さんに「このほうれん草、放射能は大丈夫かしら」と話しかけていた。よほど聞こえよがしに「幾つまで生きたいんだよ」と、言いそうになるのを、かろうじてこらえた。

 連日、横浜でも余震?が続いている。巷間言われているように、先の東北沖の地震に刺激されて、いつ関東、東海、東南海での地震が起きてもおかしくない状況であるらしい。政府は、いつも都合の悪いことは想定外とするから信用できない。

 もしこの時期に北朝鮮がミサイルを打ち込んでも、中国が尖閣諸島に上陸しても、「想定外」として、ただ驚き、ウロウロ、ソワソワする以外にないのに違いあるまい。テレビでの受け売りだが、静岡などの原発も、もし今回の東北沖地震クラスのものが来たら、全く対処できないそうだ。日本の危機管理というものの、思想の原点は、「ありえない」というのが基本であるらしい。最悪の事など考えたくもない。という発想の元に、政治も軍事も、原発も成り立っている。笑い話ではなく、本当の事なのだ。

 こんな地震の多い国であっても、四月の七日に起きた東北沖地震の余震で、停電してしまう。常識では考えられない。そんな程度の地震の対策さえ出来ていない国が、安易に原発を作り続けてきた、その天罰が下っているようにしか思えない。我々国民に出来ることは、「祈る」事だけというのが悲しい。


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最悪な一日だった。

2011-04-19 16:26:39 | インポート

四月十三日(水)晴れ。

 今日は一日仏滅だった。まず、花粉症で目が痒くてたまらないので、愚妻が整形外科に行くついでに眼医者に行けば、何と休み。仕方ないので、近くのマクドナルドで本を読みながら、愚妻の診療が終わるのを待ってから、迎えに行き事務所へ。

 印刷機のインクの請求書が来ていたので、帰りに郵便局で支払おうと思ってポケットを探れば、お金がない。どうやらマックで支払いをするときに、小銭かお札かと出し入れしている際に落としたらしい。小銭で支払ったのがアダとなった。被害は三万五千円。トホホである。

 自宅に戻る途中で、子供のリクエストの夕食のおかずを買いにスーパーに寄った。この間約十五分足らず、気がつけばウインドーに「駐車違反」の切符が貼ってあった。交番によって手続きをして違反切符を切られて、罰金が一万五千円。

 考えてみると、先月の地震以来ろくなことがない。まあ亡くなられたり、自宅を失った方々には比べようもないが、ズッーと胃の調子は悪いし、還暦祝いは延期になるし、ことごとくついていない。本当は、もう二つ嫌なことがあったのだが、これはプライベートなことなので、ここには書けない。

 夜は、正にフテ寝した。ツタヤ・ディスカスから届いた「戦争のはらわ」と「ストップ・ロス」DVDを立て続けに二本見て、あっという間に寝てしまった。

  おまけ・今日の戦争映画評

 「戦争のはらわた」 サム・ペキンパー監督、ジェームス・コバーン主演。

 この映画の原題は『Cross of Iron』(鉄十字勲章)である。鉄十字勲章とはナポレオン支配からの独立戦争時1813年にフリードリッヒ・ヴィルヘルム3世が制定した勲章。この作品が異色なのは、第二次世界大戦中のアメリカ軍を描いた映画ではなく、ロシア戦線で撤退するドイツ軍を描いたという珍しい映画だ。1943年のロシア戦線撤退中の中隊に貴族階級出身の新任指揮官と小隊のシュタイナー伍長(ジェームズ・コバーン)との対立を描いた映画だが、ペキンパー監督の独特の映画表現で作られているが、ドイツ人の軍人を描いた映画なのに、全編英語というのが不思議だ。私風に言えば、この邦題の方がペキンパー好みだったかもしれない。B級ドタバタ映画で★★という感じだった。

 「ストップ・ロス-戦火の逃亡者」 監督・キンバリー・ピアース、主演・ライアン・フィリップ

 映画の題名となっている「ストップ・ロス」とは、戦場の兵士不足を解消するために、アメリカ政府が兵士たちの兵役期間を独断で強制的に延長できる制度。イラクの過酷な戦場からアメリカに帰還した若き兵士のブランドンは、兵役の終了と同時に除隊を申請するが、ストップ・ロスが適応され、再びイラク赴任が命じられる。その理不尽な要求に軍を飛び出して、世論に訴えようとして、軍と警察から追われる身となるが、彼は、戦友のために再び入隊する決意を持つ。ある意味で政治的なメッセージを持った映画だが、平和と繁栄に酔いしれている、現代の日本人には刺激になっていいかも。★★★でした。


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