四月四日(月)晴れ。
良い天気なのだが、花粉が多く飛んでいるらしく、目が痒いは、くしゃみが出て仕方がない。原発事故や地震で避難するより、花粉症のない北海道に非難したいものだ。
震災から、一ヶ月になろうとしているが、被災地でようやく復興の兆しが見えてきたというのに、それに水を差すように、福島の原発事故が、一向に改善、終息に向わない。これ以上被害が大きくなり、避難地域の範囲が広がったなら、一体、政府はどうするつもりなのか。
最近は、原発関係のニュースを見るのもアホらしくなって、ニュースそのものに興味がなくなってしまった。酒が飲めないので、ノンアルコールのビールを買って飲んだが、ウェーッ!何じゃこの味は、と思いながら、体調の悪い私が悪いのですと言い訳しながら飲んだ。
夜は、BSで、山田洋次監督が選んだ日本映画の名作の第一作目、小津安二郎監督の「東京物語」を見た。昭和二十八年の松竹映画で、主演は、「寅さん」の御前様の笠智衆。それに東山千栄子や原節子、山村聡、杉村春子、香川京子、大坂志郎、東野英治郎、十朱久雄などの名優が出演している。
年老いた両親の一世一代の東京旅行を通じて、家族の絆、夫婦と子供、老いと死、人間の一生、それらを冷徹な視線で描いた作品である。今日の核家族化と高齢化社会の問題を先取りしていたともいえる。
実は、この映画は、二十代の後半に見たことがあった。当時は、地味で、退屈で、暗い映画だと思って、全く印象に残らなかった。その思いが頭の片隅にあって、録画するのをやめようかとも思ったが、考える事があり、見てみた。
やはり、若い頃には分からなかった、映画の筋や味わいが、砂漠に水が浸み込むように理解できて、胸が熱くなった。歳をとるということは、感性も成長するということを、実感した。先日、高峰秀子の「私の渡世日記」を読了していたのが良かった。
久し振りに、見終わった後に、感動して中々眠れなかった。しかし、笠智衆は、「寅さん」のころとほとんど変っていないのが不思議な気がした。
もちろん原節子もよかったです。明日は、高峰秀子主演の「二十四の瞳」だそうです。