白雲去来

蜷川正大の日々是口実

「田中角栄の恋文」が良かった。

2011-11-02 09:57:02 | インポート

十一月一日(火)晴れ。

 秋晴れの良い天気である。朝食後に、少し休んでから一時間ほどウォーキングに出たが、十一月とは思えないほどの暖かさである。弘明寺の商店街を通って一時間半きっかり歩いてから、バスで戻った。

 

 そういえば、昨日、久し振りに髪の毛を染めた。今、床屋さんで流行っている「白髪ボカシ」というものだ。下の子供の学校についていかなければならず、「おじいちゃん」と間違えられるのが嫌で、まあ子供に言われたこともあるのだが、髪を黒くした。一月ほどで色が落ちてしまうのだが、今回を最後にしたいと思っている。私としては、髪が黒かろうと白かろうとどちらでも構わない。もう外見を気にする歳でもない。

 

 一昔前の漫才で、「金も要らなきゃ、名も要らぬ。私ゃもすこし背が欲しい」というギャグがあったが、私の場合は、「もう少し毛が欲しい」と思う今日この頃である。

 

 午後から、東戸塚にある、ダイエーと西武に買い物に出た。買い物と言っても食材が中心なのだが、立ち寄った書店で月刊の「文藝春秋」を買った。この書店は、ハードカバーの品揃えが少ないのが残念なのだが、書店の中にテーブルが設置してあり、百円のドトール・コーヒーの自販機もある。買った本を、店内でコーヒーを飲みながら読めるのである。

 

 愚妻が買い物をしている間に、特集の「田中角栄の恋文」を読んだ。恋文の相手は、越山会の女王と言われた佐藤昭子氏。お二人の仲は、これまでに児玉隆也氏の「淋しき越山会の女王」や、佐藤昭子氏本人の書いた「私の田中角栄日記」などで、公然のものとなっている。

 

 「恋文」には、角栄氏が、昭子氏に対する並々ならぬ愛情が表現されている。そして、娘さんの敦子さんには、「旅先から私には葉書一枚書かない人が、敦子には毎回手紙をくれた」として、外遊先からの葉書が紹介されている。

 

 可笑しかったのは、以前、何かの本で、田中角栄氏が「すきやき」が好きで、それもせっかちなので醤油だけの味付けで食べるのには辟易した。という側近の話を読んだことがあった。佐藤さんの家に来ても、「すきやき」をするのだが、さすがに子供がいるので醤油だけとはいかなかったらしいが、娘の敦子さんが、田中氏のもう一人の愛人の本を読むと、その家でも、同じような「すきやき」を食べ、同じように切手シートを貰っていたことを知ったそうだ。

 

 政治家、田中角栄の女性に対する細やかな、また娘に対する愛情が感じられ、可笑しくもほのぼのとした読後感を味わった。本妻の娘さんににも、父親みたいな、優しさがあるといいのだが。

 

 帰宅後は、酒を控えて、レンタルした「パイレーツ・オブ・カリビアン」と「メカニック」という新作の映画を立て続けに二本見た。そのせいでもないだろうが、嫌な夢を延々見た。目覚めが悪かった。案の定、早朝の外は曇り空。


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