12月26日(火)晴れ。
朝食は、手羽先と大根の煮物、平塚のロースハム。昼は、抜いた。夜は、昔ながらのナポリタン、総菜のクリームコロッケとマカロニサラダ。お供は「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。
その昔、盟友のお世話で大分、福岡に遊んだ。大分では「ふぐ」のフルコース、福岡では「アラ」のやはりフルコースという贅沢な旅だった。ちょうど、翌年が上の子供の大学の受験の年と言うこともあって盟友らに無理を言って、学問の神様の天満宮に「合格祈願」のお参りに付き合って貰った。天満宮の本殿に一直線に続く道の初め、石造りの大鳥居を抜けると「心字池」という名の池があり、三つの橋があることを教えてもらった。しかし私には、澱んだ水を湛えた「汚い池」としか思えなかった。それを盟友に話したところ、呆れた顔で、「ここは池の水ではなく、池に架かる三つの橋に意味があり、さだまさしの『飛梅』という歌の中にも描かれていますよ」。と教えてくれた。私は、その『飛梅』の話も歌も知らなかった。
帰宅してから、パソコンでその『飛梅』を聞いてみた。「三つ目の橋で君が、転びそうになった時、初めて君の手に触れた僕の指」。遠い昔、私にもそんな経験があることを思い出した。そして、それらの橋が境内の入り口から順番に、「過去、現在、未来」を表していることを遅まきながら知った。
数日前、その盟友から、ヤマト便のパックが送られて来た。中身を確認したが、雑用に追われ「手が空いたときにゆっくり見よう」と、他の郵便物と一緒にしておいた。11月7日の私のブログは、日向在住の石川重弘参加から送って頂いた宮崎の焼酎「あくがれ」のことを書いた。その焼酎の名は、日向出身の歌人、若山牧水の歌から命名されたものであることを、焼酎の首に巻かれていた『牧水の歌』で知った。「けふもまた こころの鉦(かね)をうち鳴らし うち鳴らしつつあくがれてゆく」。この歌を引用して、さだまさしが作詞作曲したのが『あこがれ』。盟友曰く、「彼がその曲を作ったのは20歳を少し過ぎた頃。その若さでも牧水の歌に触発された彼の才能の深さと、読書量に圧倒される思いです」。
私は、そういったことを忘れずに、さだまさしの歌の歌詞や牧水の資料を送ってくれる彼の「感性の深さ」に脱帽する次第です。※写真は、牧水の色紙と吉田類が「旅の友」として必ず持ち歩くという『牧水酒の歌』。おそらく私のために「牧水記念館」から取り寄せてくれたのだろう。感謝。