12月28日(木)晴れ。
自民党の派閥のパーティー券収入不記載、いわゆる裏金問題で、地元事務所などを捜索されたのが岐阜県の参議院議員の大野泰正氏。彼の祖父はかつて自民党の副総裁をつとめた大野伴睦である。私の好きな横浜駅近く、平沼の蕎麦屋「角平」には、大磯の吉田邸に詣でる時にでも寄ったのだろうか、大野伴睦がお店の人たちと写った写真がある。最も、私と一緒に行く若い人たちの殆どが大野伴睦のことを知らない。「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちたらただの人」という有名な名言?の方が知られているかもしれない。
随分前のことだが、亡くなられた阿部勉さんと、やはり若くして亡くなった板垣哲雄君と私の三人で岐阜に先輩の花房東洋兄を訪ねた。岐阜の大夢館へは、最近は、名古屋から名鉄の急行で行くのが早いのだが、その時は、なぜか新幹線で岐阜羽島で降りた。駅前には大きな銅像があり、近づいてみるとそれは大野伴睦夫妻の銅像であった。そういえば、私たちが降りた新幹線の岐阜羽島駅は、当時、大野伴睦が無理やり作らせた「政治駅」と騒がれたことを思い出した。
その銅像を見た阿部さんが「けしからんな、夫婦の銅像なんて。哲(板垣のこと)お前、ふんどしだろう。ちょっと登ってふんどしをぶら下げてこい」。その時、私以外は、着物姿だった。板垣君が、ふんどしを持って登りかけた時に、タイミングが悪いことに警官が通りかかった。「あんたたち何してんだ」。すかさず私が、「大野先生を尊敬していますので、ちょっと銅像を磨いて来いと云ったんです」。ちょうど板垣君は手に白い布(ふんどし)を持っている。「気持ちは分かるが、危ないのでやめなさい」。私たちは、おまわりさんに頭を下げて、その場を去った。