木曜日に車に乗っていて交通事故に会った58歳女性が救急搬入された。左上腕と尺骨(開放骨折)で整形外科に入院したが、この方は隣県からたまたま当地に来ていた。
当院の整形外科は外傷専門で、骨折はすぐに手術してしまうが、この患者さんには問題があった。5年前から糖尿病の治療を中断していて、血糖369mg/dl・HbA1c13.6%だった。
高血圧症・脂質異常症の治療も併せて中断していて、事故直後ということもあるが、血圧が200を越えていた。脂質もLDL-C262mg/dl(T-C385)とかなり高い。内科に診療依頼が来た。
当院で手術するか、地元の病院に紹介になるか未定だったので、とりあえずインスリン強化療法を開始した。持続型初期量と超速効型のスライディングで開始したが、血糖300mg/dl台が続いて、すぐに増量した。血圧はカルシウム拮抗薬で140~150くらいになった。
血糖コントロールをつけて、連休明けに当院で手術の予定だったが、患者さんの希望で来週の連休明けに地元の病院に転院予定となった。朝早くに出発するので、診療情報提供書を入院3日目の金曜日に記載しておくことになった。
搬入時の左上腕の写真がカルテに載っていたが、開放骨折は迫力があった。
治療はインスリンと経口血糖降下薬だったらしいが、医療費が月数万円になるので中断したという。今回の骨折がなければ、無治療のままで受診しなかったのだろうか。ここまで高いと、口渇・多飲・多尿はあるはずだが。