なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

POCUS

2019年09月16日 | Weblog

 医局のラウンジに置いてあった医学書院の医学界新聞を見ると、医学書院本社で開催される「Point-of-Care 超音波(POCUS)」のセミナーが載っていた。開催日まで2週間弱しかないので、さすがにもう満席締め切りだろうと思ったが、案外まだ空いていた。さっそく申し込んで、21日に行くことにした。

 セミナー名は「ポケットエコー活用セミナー」だが、講師の著書では通常のエコー機器を使用していて、ちょっとだけあるポケットエコーの項には、まだまだ画像が十分ではないと記載されていた。(引用論文の統計学的なことも細かく記載しているので、ちょっと読みにくい)

 例によって、若い先生方に混じって参加するのは気が引けるけど。

 

 

 病院の赤字の問題で、借入金の確保・収入増加のために改革が早急に必要になっている。病院の管理者と院長先生が、県や大学病院と何度も相談をしているそうだ。

 構成市町からの繰入金は一気に減らされたが、市町の収入からみて、今後も減ることはあっても増えることはない。当面は金融機関からの借り入れになる。

 国のレベルで医業継続が困難な地域・病院を指定して、立て直しのための繰り入れをするそうだ。県がそこに入れてもらえるように働きかけているが、まだわからないという。

 当面の改革は、1)現在半分だけ二部制にしている透析を、毎日二部制で行うようにする。透析患者さんを引き受ける施設がなく、県からの要請もある。ただし腎臓内科医常勤医不在で行っているが、確保ができるのか。

 2)看護体制を7:1から10:1にする。収益的にはほとんど変わらない(300円の違い)ので、入院が1名増えると同じになってしまう。国も10:1に誘導しようとしているという。

 3)病床数を1病棟分(50床弱)を減らす(一時的ではなく、完全に返却)。入院患者数(ベット稼働率)からは適切だろう。

 4)回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟の充実を図る。地域での当院の役割は、急性期ではなく慢性期の診療。ただし、構成市町からは救急も現状通り継続するよう求められている。地域包括ケア病棟はよく稼働しているが、リハビリ担当医(専従)がいないので、なかなかリハビリ病棟の入院が増えない。

 5)とにかく収入増を図る。要するにお金の問題だから。夕張や銚子のようにならない、ということ。

 当院は地域の基幹病院ではないので、これまで県も大学病院も力を入れてこなかった。県はやっと一昨年から、自治医大出身の内科専攻医の地域医療研修(1年間)で1名だけ派遣してくれるようになった。

 赤字で廃業や民間売却になると、さすがに地域の基幹病院だけでは地域医療は成り立たない、と認識したらしい。いずれ地域の病院が統合された時に、当院は慢性期担当の分院(サテライト病院)になるか吸収合併されるのだろうが、それまでは継続しないとまずいと判断しているらしい。

 うまくいけば、内科系で地域医療の中心になるような先生方が赴任してくるかもしれない(その時には、ポストふさぎにならないように、早めに退職しよう)。

 

 

 

コメント (1)
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