なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血清フェリチン8500

2019年09月06日 | Weblog

 別の内科の先生から相談された。発熱・両側股関節痛の34歳男性が整形外科クリニックから、今日紹介されてきていた。

 8月9日から両側股関節痛があり、約2週間の経過で悪化して、8月26日にクリニックを受診した。X線検査では異常を認めなかった。NSAIDを処方されたが、4日前の9月2日から38℃台の発熱も伴った。肩痛、腰痛、背部痛も生じてきた。

 上気道症状はなく(咽頭痛なし)、胸痛・腹痛はなく、消化器症状・尿路の症状もない。皮疹はなく、経過中に患者さんは皮疹には気づいていない。

 血液検査では、白血球9800(10000は越さなかったが同等だろう)・好中球80%・Hb12.9g/dl・血小板11.0万と、白血球増加はいいが、微妙に血小板減少と貧血がある。AST 66・ALT 66・ALP 497・γ-GTP 304・LDH 2195と肝機能障害を認めて、その中でもLDHの高値が目立ち、肝機能だけではなく、血液由来の可能性が示唆される。

 そして血清フェリチンが8540と著明な上昇を呈している。血清フェリチン>3000ng/mlは、悪性リンパ腫、血球貪食症候群、成人発症Still病だ。

 胸腹部CTでは、単純CTだが特に異常は指摘できない。股関節にもCTで見る限り異常はなかった。

 症状からは成人発症Still病が疑われる。血球貪食症候群を併発し始めているようで気になるところだ。

 どうしましょうか(紹介先)と訊かれたので、いつも紹介している内科そのものがリウマチ膠原病科になっている病院への紹介を勧めた。出身大学との連携もいい病院なので、血球貪食症候群幸いに診療情報提供書を送ったところ、来週月曜日の外来予約がとれたそうだ。

 

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