なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

絞扼性腸閉塞(腸捻転)

2019年09月22日 | Weblog

 水曜日に救急室(点滴をする処置室の隣りにある)で急性腎盂腎炎の85歳女性の抗菌薬を入力していた。救急の診察室に消化器科医がいた。急性腹症で受診した26歳女性の指示を出していたのだった。

 4月から精神科クリニックに通院しているそうだ。自称「うつ病」ということだが、年齢的には違うのかもしれない。この既往歴で、精神的な要素が大きいのではという先入観が入ってしまう。

 4日前に腹部膨満感で地域の基幹病院を受診して、便秘として下剤が処方された。2日前にも同院を腹痛で受診して、内視鏡検査で逆流性食道炎と診断されている。(結果がわかってから言うと、おそらく軽度に発症し始めていたのだろう)

 消化器科医は最初七転八倒の様子だと表現したが、当初はヒステリーではないかという印象をもっていたようだ。動いてしまって画像検査もできない状態だったが、鎮痛薬(ソセゴン)や安定剤(アタラックスP、ミダゾラム)を使用して、やや落ち着いたところで、検査を行った。

 単純CTで腸管が引き伸ばされたように描出されて、造影CTが追加された。腸管が渦巻いていて、造影された腸間膜動脈がぐるぐるとwhirl signを呈している。絞扼性腸閉塞(腸捻転)だった。

 外科で緊急手術になった。 後で手術した外科医に訊くと、上行結腸が後腹膜に固定されておらず(ぶらぶらしていたと表現)、腸管が捻転していたという。整復だけで腸管切除には至らなかった。

 じっとうずくまるのではなく、動き回ったという表現の仕方にはキャラクターが反映された印象はあるが、これは確かに激痛だったはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

コメント (1)
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