地元の診療所からの紹介で、発熱・倦怠感の66歳男性が内科外来を受診した。内科の若い先生が担当していて、相談された。
東京の病院にアルコール性肝障害で入院していたそうだ。その後、親族のいる当地域に戻ってきていた。確かに姓はその地域でよく見るものだった。
咳・痰などの呼吸器症状はなかったが、胸部X線で右肺門の拡大様の陰影があり(肺門病変ではない)、胸部CTでは右下肺野背側(S6)に腫瘤様陰影があった。陰影は椎体に沿ってぐろっと左肺背側に及んでいる。椎体を侵食しているように見える。
発熱と軽度の炎症反応上昇を認めるこの奇妙な病変は何なのか?。可能性としては、肺癌・肺結核・肺膿瘍だろう。通常の肺膿瘍でこんな形になるとは考えにくい。癌か結核なのか。
痰は全くでないので、検査できなかった。CTで気管支を見ると病変部に連続しているので、気管支鏡検査を行えば組織がとれそうだ。地域の基幹病院呼吸器内科のいつもの(?)先生に連絡して、外来予約をとった(結核の可能性も使えた)。