なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

地味に終末期をみる

2019年09月26日 | Weblog

 地域の基幹病院外科から転院した93歳女性は、右内頚静脈から点滴が入っていた。てっきりCVカテーテルと思ったが、違っていた。

 普通の末梢血管様のサーフロー針を刺しただけだった。末梢用の点滴だけしか入れられない。というか、これは何日くらいもつのか。いつ亡くなってもおかしくありませんといわれていたそうなので、これで充分ということなのだろう。

 心肺停止の患者さんが救急搬入された時に、血管確保として末梢血管用のべニューラ針に生食入りの注射器をつけて、大腿静脈に刺すことはあるが、それ以外で末梢血管用の針をCVラインで使用する血管に刺したことはなかった。

 家族と相談の上、高カロリー輸液まではすることにしていた。家族の希望もあるが、ラインがそのまあ使えると思ってしまったのもある。今日CVカテーテルに入れ替えた。

 末梢用の点滴で少量で経過をみて、お看取りするのが適切なのかもしれないが。

 

 また今日も基幹病院呼吸器内科から、小細胞肺癌・多発性骨転移の75歳男性が転院してきた。これ以上の癌治療はできず、緩和ケアのみの方針となっていた。体調がよければ自宅退院ということだったっが、娘さんの話では一人暮らしであり、自宅退院はない。

 同院の緩和ケア病棟に申し込んでありますとも言われたが、そもそもそちらは、オピオイドの調整で2週間の入院しかできない。地域医療連携室にどうなっているか問い合わせたところ、基本的にはベットが混んでいるので、特に対応に困ってなければ入棟はありません、という返事だった(特に困ってはいない)。

 家族(娘さん)はとにかく入院を継続できればいいということだった。さすがに当院もある程度の期限はあるが、転院後の食事摂取量の少なさと痩せ細った身体をみると、当院で最期までになりそうだ(一応療養型へは申し込むが)。

 

 いずれも当院向きの患者さんであり、最期までみる、あるいは療養型病床のある病院に行くまでの繋ぎという役割になる。当方の年齢的にも、そういう診療がちょうど合っている。地味すぎて、若い先生には勧められない。

 

 札幌徳洲会病院救急科の増井伸高先生が、「心電図ハンター」に続いて、「骨折ハンター」(中外医学社)を出されたので早速購入した。骨折を直接診る機会はなくなっているが、著者のファンなので著書は収集することにしているから。この先生はどこまで伸びていかれるのだろうか。

 骨折ハンター レントゲン×非整形外科医

 

コメント
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