なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

伝染性単核球症~CMVだけではない?

2019年09月14日 | Weblog

 先週内科クリニックから伝染性単核球症疑いの29歳男性が紹介された。内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が担当して、肝機能障害が先方の検査よりも上昇していたことから当方に相談された。

 8月下旬から発熱があり、近医を受診して抗菌薬(レボフロキサシン)の投与を受けた。発熱が続いて、8月末に紹介先の内科クリニックを受診した。発熱以外の症状はなかった。抗菌薬(セフカペン)が処方されたが、発熱が続いて再受診している。肝機能障害(AST 77・ALT 131)があり、抗菌薬が無効であることと年齢から、伝染性単核球症疑いとされたようだ。

 当院受診時は白血球10300(リンパ球43.0%、異型リンパ球10%)・CRP0.9で、肝機能障害は悪化していた(AST 203・ALT 481・ALP 301・γ-GTP 74・LDH 609)。 

 発症から2週間以上経過して、肝機能障害が悪化していることから、地域の基幹病院消化器内科の肝臓専門医への紹介も考えた。地域医療連携室で問い合わせてもらうと、1週間不在らしい(夏休み?)。入院するほど全身状態は悪くなく、食欲もあるので、EBV・CMVの外注検査を提出して、1週間後に受診とした。

 再受診時の検査では白血球15300(リンパ球65.0%、異型リンパ球11%)・CRP0.6で、肝機能は初診時よりは軽減していたが、まだけっこう高い(AST 144・ALT 381・ALP 310・γ-GTP 70・LDH 516)。

 外注検査の結果は、EBVはVCA-IgG陽性・EBNA陽性で既感染、CMVはIgG・IgM両者が陽性で、CMVによる伝染性単核球症と判断された。肝機能からはもう少し当院で経過をみてもいいか。

 この患者さんは昨年末に帯状疱疹に罹患して、今年の4月に性器ヘルペスに罹患している。若い先生は、HIV検査はどうしましょうと言う。患者さんの了解をもらって提出することにした。そういう店にはたまに行くが、MSMではない。HIVの外注検査を提出して、1週間後に再検とした。

 

 

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