なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

入院中の外来受診

2019年09月19日 | Weblog

 先週金曜日に、昨年心臓血管センターのある専門病院で大動脈弁置換術を受けた68歳男性を、細菌性心内膜炎疑いでその病院に紹介した(入院になった)。

 血液培養2セットからグラム陽性球菌が検出されて(採取翌日に検出)、週末の3連休中に菌名・感受性が判明したので、紹介先に病院にFAXしていた。Streptococcus bovis(γ溶血=非溶血の連鎖球菌)だった。心内膜炎に矛盾しないと思う(感受性良好)。

 画像や検査結果を確認しようとした時に、この患者さんが今週の月曜日に当院の整形外科外来を受診していたことに気づいた。一瞬意味が分からなかったが、入院は継続になっていて、整形外科受診のために外出してきていた。

 確かにそちらの病院は循環器内科・呼吸器内科・消化器内科に特化した病院で、整形外科は診療科としてないので、入院した状態で他院の整形外科を受診できる(持ち出しにならない)のだった。

 内科初診の時も、経過中に左肩関節痛と右手関節痛もあったことは把握していたが、結晶誘発性関節炎(偽痛風)は考慮したが、化膿性関節炎とは考えていなかった。

 心エコーを繰り返して行ったが、疣贅は証明されず、心内膜炎ではなく化膿性関節炎ではないか、という紹介だった。当院の整形外科医が関節穿刺したが、化膿性は否定されて肩関節周囲炎とされた。

 外出しての整形外科外来受診は、わざわざ当院の整形外科でなくても、そちらの病院の周囲に大病院がいくらでもあるのにと思ったが、当院の方が紹介しやすかったのかもしれない。

 「再三行った心エコー」と記載されていたが、食道エコーは再三行うものでのないので(たぶん)、主に経胸壁エコーで経食道は1回だけ施行した?。敗血症性血栓などの所見がない点では心内膜炎は否定的だが、修正Duke心内膜炎診断基準では「確実」ではないが、「可能性あり」にはなるのではないか。菌名からもいいような気がするが、どうでしょうか。

 

 

  

コメント
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