先週の金曜日の当直帯で、急性腎盂腎炎の53歳女性が入院した。夕方内科クリニックを受診して、急性腎盂腎炎疑いとして当院に紹介された。
金曜日の当直は眼科医で、尿培養と血液培養2セットの提出を依頼して、セフトリアキソンで治療を開始してもらった。土曜日は日直で病院に出ることなっていた。
土日は発熱が続いて、月曜日に解熱した。血液検査の炎症反応上昇と尿所見は軽快していたが、尿培養で菌が検出されなかった。(血液培養は中間報告で陰性)
入院時に肝機能障害があり、発熱と関連して胆嚢炎・胆管炎が疑われたが、画像では異常を認めなかった。再検では肝機能は改善していた。(総胆管結石が嵌頓して排石した可能性も考慮していた)
水曜日に再度発熱があった。間違いなく腎盂腎炎とはいえない経過だったので、どういうことかと困惑した。月曜日から腰痛を訴えていた。脊柱正中ではなく、その右脇で腸骨の上だった。起き上がる時に痛いと言う。叩打痛もあった。
木曜日に正常化していた白血球が再度上昇した(CRPはすぐに反応しないので、前回より低下)。以前に診た椎間関節の偽痛風を思い出して、腰椎MRIを撮影した。
T2と脂肪抑制T2で椎間関節周囲に高信号があるようだ。放射線科の読影レポートは異常なしだったが、臨床的にもその部位に所見があり、炎症と判断された。
木曜日の昼からNSAIDs(セレコキシブ)内服を開始すると、夕方から解熱して、金曜日には腰痛も軽減したという。効いているようだ。