なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

頼りない王冠~頸椎偽痛風

2021年04月26日 | Weblog

 内科新患を診ていた先生(大学病院からバイト)から相談された。患者さんは後頚部痛と発熱の83歳女性だった。電話で話を聞いて、頸椎偽痛風だろうと思われた。

 1週間前から微熱があり、その後に後頚部痛が出現した。土曜日(2日前)から痛みで首が回しにくくなった。意識は清明で嘔気や神経学的な異常はなかった。正中の右側に圧痛があった。首は全方向どちらに曲げようとしても痛みがある。

 白血球10600・CRP6.3と炎症反応の上昇を認めた。外来の先生が頭部~頸部CTを撮影していた。頸椎の軸椎歯突起の周囲に、細々と石灰化が写っていた。ちょっと頼りない所見だが、頸椎偽痛風(crowned dens syndrome)でいいようだ。

 

 NSAIDsを1週間分処方して外来再診と思ったが、連休になる。2週間分の処方として、数日内服しても症状が軽快しない時は、その前に受診してもらうことにした。

 

 今日は新型コロナウイルス感染症の72歳男性(中等症Ⅰ)が、退院基準を満たして退院した。代わりに、また72歳男性が感染病棟に入院した。

 パーキンソン病で通院している。絵にかいたような小刻み歩行で、つかまったり車椅子を使用して、室内を少し歩行(移動)できる。 

 デイサービスで通所している施設で新型コロナの患者さんが発生して、濃厚接触者として経過観察となっていた。咳が出始めて、PCR検査再検となって陽性と判明した。

 胸部CTでわずかにすりガラス陰影が疑われるところがあるが、現段階ではほぼ肺炎なしとしていいようだ。今週1週間経過をみないと重症化するかどうかわからない。

 

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