高血圧症・慢性腎臓病(CKD)で内科に通院している93歳男性の家族が来院した。前回予約日に受診していなかったので、薬だけ取りに来たのかと思ったが、相談があるという。
ずっと歯科にも通院していたが、歯肉?から発生した腫瘍があり、歯科医院から大学病院の口腔外科に紹介されたそうだ。今どきの入院なので、外来で新型コロナウイルスのPCR検査を受けて、陰性を確認した後に入院になる。
93歳でCKDもある超高齢者にどこまで腫瘍の精査をするのだろうか。生検とCTなどの画像検査を行って、診断と方針を決定するところまで行うのだろうか。
家族は、緩和ケアですよね、と言っていた。奥さんが施設に入所して、現在一人暮らしになっている。奥さんに続いて、いずれ施設入所になるとは思っていたが、口腔内腫瘍があるとは難しくなってくる。
大学病院から自宅退院にできない時は、当院に転院してもらうことにした。内科外来で口腔内の症状を訴えたことはなかった、と思うが。
この方の奥さんは、異常ヘモグロビン血症で、HbA1cは低値になってしまう。血糖の平均値はグリコアルブミンで検査をしていた(HbA1cに換算すると7%くらい)。
夫婦で通院していたが、奥さんのADLの方が悪く、心気的な訴えも多かった。いっしょに診察室に入ってくるが、奥さんの診察で時間がとられた。この方は特に訴えもなく、検査値を確認して処方を継続するというあっさりとした診察だった。
土日は「感染症プラチナ流コンサルト」を読み返していた。薄い本なのですぐに読めてしまう。誠実な対応で、しだいに他科からのコンサルトが増えていったという。
当院でもICT・ASTは行っているが、専門医もいないので他科からのコンサルトはほぼない。内科の若い先生に訊かれるくらいだ。「プラチナマニュアル」で確認しておいて、ということが多いが。