糖尿病で通院している68歳女性は、家族の希望で精神科病院に紹介していた。
食欲不振・嘔気が続いて検査をしたが、これといった異常はなかった。夫が前立腺癌でがんセンターに紹介されたという事情もあった。もともと心気症傾向があったが、うつになっていた。
当院に入院して、抗うつ薬はSSRIのセルトラリン25mgから開始して、50mgまで増量した。症状は軽快して、外来治療を続けていたが、心気的な訴えが多く、いつもは一人で来ている外来に娘さんが付いてきた。
精神科病院に紹介していほしいという。市内には精神科病院があるが、主に認知症を診ていて、なかなか紹介しようとしても行きたがらないし、病院自体も受診の敷居が高い。
希望されたのは、他の町にある病院だった。そこは当市役所の精神医療相談に医師を派遣していて、受け入れがいい病院だった。家族が車で連れていけるなら、専門医の方が好ましい。すぐに診療情報提供書を書いた。
今日は予約外で受診した。頭全体がもや~と熱感があり、重苦しいという訴えだった。数年前から続いていて、アセトアミノフェン屯用を時々処方していた。(精神科病院でもSG顆粒屯用が出ていた)
昨日アセトアミノフェンを飲もうとしたら、咳き込んでしまったという。それで飲むのが怖くなったが、頭重感が続くのでどうしたらいいかと、受診したのだった。
最近表情が良くなっていたが、今日は表情が硬く、暗い雰囲気だった。それでも話を聞いているうちに、すこしずつ薄い笑顔は出てきた。(再来に最後に時間をかけて診ていた)
最近の処方を見せてもらうと、セルトラリンは75mg/日に増量されていた。他にはアルプラゾラム2錠朝夕、ブロチゾラム0.25mg就寝前が出ていた。ちょっと苦戦している?。
近々精神科病院も受診するので、相談するように伝えた。頭痛の時の薬がほしいというので、エチゾラム(デパス)0.5mg錠を屯用としてちょっとだけ出した。
入院すると安静する方で、うつ病としての入院治療の可能性もあり、やはり紹介してよかった。