なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ファイザー社の新型コロナワクチン接種

2021年04月28日 | Weblog

 アナフィラキシー(ショック)の既往がある人も、普通に新型コロナワクチンを接種できるのでした。

 ファイザー社の新型コロナワクチンを受けることができない人は、①明らかに発熱している人(37.5℃以上)、②重い急性疾患にかかっている人、③ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなどの重度の過敏症の既往歴のある人、④上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人、になる。

 ①と②はそうだろう。③は主にワクチンに含まれるポリエチレングリコール(PEG)に対して強いアレルギーが出た経験がある人になるが、あなたはPEGに対してアレルギーがありますか、と訊いてもわからないだろう。(④は役所的なもの?)

 新型コロナワクチン以外のワクチン、花粉、食物、薬剤、ハチ刺されなどにアレルギーがある人(mRNAワクチンの成分であるポリエチレングリコールにアレルギーがある人は除く)も、新型コロナワクチンの接種は可能ということだ。

 要するに、あるかどうか判断がつかないポリエチレングルコールにアレルギーがある人以外は、ほぼ誰でも打てることになる。

 基礎疾患のある人はむしろ積極的に受けていいことになる。妊婦はワクチン接種のメリットとデメリットをよく検討して判断するとあるが、アメリカは希望者は接種可能としていて、すでに多数の妊婦が受けて影響はなかった。

 アレルギーの既往のある人、特にアナフィラキシーの既往がある人は、新型コロナワクチン接種後は急激なアレルギー反応が出ないことを確認するために、通常(15分程度)よりも長めに(30分程度)接種会場にとどまって様子をみることとなる。(その程度でいいことになっている)

 ただ問診表には、アナフィラキシーの既往の項目があり、そこが「はい」だと問診医は接種可能とするのに戸惑うだろう。予定では、5月末から始まる当市のワクチン接種会場には、医師会の先生(開業医)と病院勤務医が出ることになっている。

 医師会の先生は、アナフィラキシーの既往がある人については、病院勤務医に判断を任せてくるのではないか。(個人的な考えです)既往がある人については、ない人よりもワクチン接種でアナフィラキシーを起こす可能性が高いかもしれないが(根拠はない)希望しますかと、もう1回尋ねてその旨をメモしておくといいのかもしれない。

 1回目の新型コロナワクチン接種でアナフィラキシーを来した人には2回目の接種はできない、ということだけが確かだ。それ以外はワクチンを打てないとはいえない、のであった(どうなるかは、実際に打ってみないとわからない)。

 

 「新型コロナワクチンQ&A100」(日経BP)。わかりやすく解説している良書です。

日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答! 新型コロナワクチンQ&A100

 

 厚生労働省のホームページに、ファイザー社の新型コロナワクチンについて、として記載されている。注意が必要な人は、「本ワクチンの成分(※)に対して、アレルギーが起こるおそれがある人」以外は、注意しながら(どんな注意?)受けることができる。

 以下は引用

 下記にあてはまる方は、本ワクチンの接種ができない、または接種に注意が必要です。
 当てはまるかどうかや、ワクチンを受けて良いか、ご不明な方は、その病気を診てもらっている主治医にご相談ください。
 また、当てはまると思われる方は、必ず接種前の診察時に医師へ伝えてください。

受けることができない人

明らかに発熱している人(※1)
重い急性疾患にかかっている人
本ワクチンの成分に対し重度の過敏症(※2)の既往歴のある人
上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人
(※1)明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。
(※2)アナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状。

注意が必要な人

・抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人
・過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
・過去に予防接種を受けて、接種2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人
・過去にけいれんを起こしたことがある人
・本ワクチンの成分(※)に対して、アレルギーが起こるおそれがある人

妊娠中、又は妊娠している可能性がある人、授乳されている人は、接種前の診察時に必ず医師へ伝えてください。

※本ワクチンの成分
▷有効成分
・トジナメラン(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA
▷添加物
・ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)
・ALC-0159:2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド
・DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
・コレステロール
・塩化カリウム
・リン酸二水素カリウム
・塩化ナトリウム
・リン酸水素ナトリウム二水和物
・精製白糖
 
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