月曜日に、循環器・呼吸器・消化器の急性疾患を搬送させていただいている病院から、患者さんの転院依頼が来た。
当院の糖尿病外来と神経内科外来(てんかん)に通院している90歳女性だった。4月3日(土)に呼吸困難で当院に救急搬入された。血液ガスでPaO2 92.5・PaCO2 93.3・pH7.180(酸素吸入あり)と、著しい高二酸化炭素血症(酸素投与量が多すぎた)・CO2ナルコーシスになっていた。
胸部X線で心拡大・肺うっ血・胸水貯留を認めた。日直だった外科医(大学病院からのバイト)が・低酸素血症で先方の病院に救急搬送していた。
転院後はNPPVを装着して、何とか離脱した。ただし夜間に酸素飽和度が70%台まで下がったりしていた。90%前後が好ましいが、82%くらいは許容としたとある。診断は肥満による肺胞低換気症候群だった。
昨年の胸部X線では特に大きな問題はなかった。しかし今年3月の胸部X線では胸水が貯留し始めていた。
超急性期病院であり、できるだけ早く引き取ることにして、今日転院してもらった。患者さんはなかなかの体格で元気だったが、ほとんで難聴で筆談を要した(耳鼻咽喉科では加齢によるとされていた)。
夜間に急変する可能性があると説明されていた。ついてきたお嫁さんにその旨を改めて説明すると、年だからしょうがないねえ、ということだった(この辺は娘と嫁では反応が違うところ)。
酸素吸入はされていなかったが、酸素飽和度は87%だった。酸素吸入0.25~0.5L/分で開始して経過をみることにした。
糖尿病はインスリン強化療法で、それでも血糖コントロールは良好ではない。年齢的にはHbA1c8.0%くらいで充分だろう。
現時点では息切れもあり、動けないので在宅介護は難しい。リハビリを入れてもこれまでのような手引き歩行は難しいかもしれない。酸素吸入の問題もあり、施設入所が難しいので、療養型病床に依頼するようになりそうだ。
先方の病院から送られてきたCDに、4月16日の胸部X線があり、まだ胸水が目立つ。明日一通り検査するが、まだまだ予断をゆるさないようだ。
一気に10kgやせれば、ぐっと改善すると思うが、それは無理だ。