火曜日の夕方に、91歳女性がデイサービスに中に右上下肢のけいれん発作を来して受診した。
ふだんは心房細動・心不全で内科外来に通院している。循環器科に通院していたが、閉科になってからは内科通院なっていた。
左後頭葉の脳梗塞(脳塞栓症)の既往があり、2年前に同様の右上下肢のけいれんで入院したことがある。ジアゼパム静注からイーケプラ点滴静注でけいれんは治まった。イーケプラ内服(1000mg/日)で経過をみて再発はなかった。
受診時に意識はふだんと変わらず、会話は可能だった。最初右上下肢が震えるという連絡が内科外来に入り、意識はあるというので、けいれんなの悪寒なのか振戦なのかわからなかった。(けいれんの既往と抗てんかん薬内服している患者さんという情報がなかった)
車いすで受診したが、確かに右上下肢がけいれんしている。意識はあり、会話は可能だった。救急室に移動して、ストレッチャーに移した。
生食で血管確保して、ジアゼパム5mgを静注した。少し治まったようだが、けいれんは続いていた。超高齢でジアゼパムを追加するのは躊躇われた。イーケプラはその日の朝も内服していて、中断はしていなかった。
イーケプラ500mgを点滴静注して、けいれんの振幅が軽減したが、まだ続いていた。慢性腎臓病があり、1日量は1500mgまでになる。
新規の脳血管障害を見るために、頭部CTを行った。左後頭葉の梗塞巣の部位に硬膜下血種があった。梗塞巣で軟弱な脳組織になっているためか、脳実質を圧迫している。頭痛・嘔気は訴えない。
夕の内服分を点滴静注で入れることにして、イーケプラ500mg点滴静注を追加すると、けいれんは治まった。入院にして、イーケプラ点滴静注で経過をみることにした。硬膜下血種の経過をみて、脳外科紹介を考慮する。
抗凝固薬は中止して経過をみるしかないので、それで血栓塞栓症が再発する可能性を家族に説明した。複雑性(意識障害)になったり、全般化しないのが、むしろ不思議な感じがした。