なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

難治性CDIの経過

2021年04月14日 | Weblog

 消化器科医が外科医に、骨盤内腫瘍で腸閉塞をきたした74歳女性の相談をしていた。

 そもそもは昨年下痢が続いて、クロストリディウム・ディフィシル感染症(CDI)の診断で入院した。眼科で白内障手術の際に、抗菌薬(経口第3世代セフェム)が処方されていた。両眼の手術なので、2回の入院で抗菌薬は2回投与されて、それが原因になった可能性がある。

 メトロニダゾール、次いでバンコマイシンが投与されたが、なかなか改善しなかった。当院で初めて使用するフィダキソマイシン(ダフクリア)を取り寄せて使用した。いったんは軽快したが、再燃していた。

 これは一般病院では難しいので、専門医がいないかもしれないが高次医療機関に紹介してみては、と言った覚えがある。消化器科医が文献を調べて、保険適応外の治療を行って何とかCDIは軽快した。(よくぞ治したものだ)

 それで一件落着とはいかず、逆に便通障害が生じてきた。大腸内視鏡は直腸で屈曲狭窄があり、口側は見えるものの内視鏡の挿入は困難だった。

 CDIが続いたために、二次的に大腸の狭窄を来したかと思われたが、腹部CTで骨盤内に腫瘤を認めた。腫瘍マーカーはCEA・CA19-9が正常域で、CA125が397(<35)と上昇していた。卵巣癌が疑われた。

 消化器と婦人科の癌が扱えるがんセンターに紹介して、転院となった。大腸内視鏡や婦人科診察での生検・組織診は難しいのかもしれない。外科手術で人工肛門造設術を行って、その際に外科的に生検組織を提出するしかないか。

 

 当院では外科医1名となって、外科手術はできなくなった。昨年末で3名の外科医が他院に移動している。残った外科医は、毎日外科外来に出て、入院は主に他院の整形外科で手術をした患者さんのリハビリ担当になっている。

 当直は月に3回入り、複数の委員会の委員長もしている。俺もいつまでいるかなあ、と言っていた。お疲れ様です。

 

 

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