なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

悪性リンパ腫の疑い

2023年12月14日 | 血液疾患

 12月13日(水)に別の内科の先生が、患者さんの家族に電話していた。悪性リンパ腫が疑われる、という。

 患者さんは79歳男性で、市内の内科クリニックからの紹介だった。診療情報提供書によると、ふだんは高血圧症・僧帽弁閉鎖不全症などで通院している。11月29日に微熱・頭重感で受診していた。

 コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性だった。アセトアミノフェンなどで経過をみていた。12月4日に症状が続くので再受診している。またコロナとインフルエンザの迅速検査を行って、陰性だった(呼吸器症状はない)。

 胸部X線で肺炎は認めず、腹部エコーでも有意な異常はないが、白血球11200・CRP24と炎症反応の上昇があった。12月8日に38℃台の発熱となり、当院の新患に紹介となった。

 胸部CTで肺炎像はなかった(左胸水がごく軽度にあるだけ)。炎症反応は同程度で、肝機能障害を認めた。点滴と抗菌薬(レボフロキサシン注)で治療が開始されると、解熱して炎症反応も軽減していた(CRP25.3から15.7)。(抗菌薬の反応した理由は不明)

 検査結果では血清フェリチン2801が目立つが、可溶性IL2受容体は提出していなかった。胸腹部造影CTが行われて、放射線科の読影レポートでは、肝脾腫と腹部大動脈周囲のリンパ節腫大があり、診断は悪性リンパ種となっていた。

 

 表在リンパ節腫大や胸腔内リンパ節腫大はなかった。生検は簡単にはできない。週末退院にして、がんセンター血液内科の外来に紹介したい、という話を家族にしていたのだった。

 

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