なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

化膿性脊椎炎

2023年12月08日 | 整形外科疾患

 12月1日に記載した48歳女性のその後。

 11月26日からの腰痛で、27日当院整形外科外来受診した。28日には高熱で発熱外来を受診した。発熱・腰痛で化膿性脊椎炎を疑ったが、腰椎MRIで所見は指摘できなかった。

 地域の基幹病院循環器内科に心不全と糖尿病(血糖は良好)で通院して、同院皮膚科にアトピー性皮膚炎で通院している。身体中に膿痂疹痕と蜂窩織炎様の発赤が散在(というより多発)している。皮膚から表在菌が侵入しやすい人だった。

 整形外科医には相談したが、化膿性脊椎炎とはいえなかったので、その日内科に入院した。1週間後くらいにMRIを再検することになった。

 血液培養2セット提出して、翌29日に2セットからグラム陽性球菌が検出された。抗菌薬は皮膚感染症としてセファゾリン(1gを8時間おき)で開始していたが、菌種確定までとしてバンコマイシンに変更した。体重が100kg越えで1gを12時間置きではトラフ値が足りず、1.5gを12時間おきに増量した。

 解熱はしてきて、炎症反応も入院時よりは軽減した。腰痛は多少いいようだが、体動は困難でベットで自力で横向きになるくらいだった。

 12月5日に血液培養2セットから黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出された。抗菌薬をセファゾリン2gを8時間おきに変更した。

 12月6日に腰椎MRIを再検すると脂肪抑制T2強調画像でL5・S1に高信号域を認めた。その背側の椎間関節周囲にも高信号を認めた。7日に整形外科に転科することになった。

 12月4日に心エコーを行っていて(現在は毎週月曜に他院の技師が来た時だけできる)、心内腔に疣贅は認めなかった(経胸壁だから否定はできないが、心雑音はない)。

 

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