12月15日(金)に外来看護師から、その日頭部MRIを撮像した59歳男性を診てほしい、と連絡がきた。放射線科医が読影に来ていて、頭部CTで脳出血の有無を確認してほしい、といっているそうだ。
頭部MRIで右頭頂部に嚢胞状の変化があり、周囲に浮腫を軽度に伴う。拡散強調画像・T1強調画像・FLAIRで高信号を示す帯状の像(出血?)を壁在性に認めた。(中脳水道左寄りに陳旧性小梗塞巣も)
頭部CTを行うと明らかな脳出血はなかった。患者さんにも話を聞いたが、緊急に対処する必要はなさそうなので、予定通り12月21日の脳神経内科外来受診(再診)とした。
12月7日に内科クリニックの紹介で、脳神経内科の外来(大学病院から)を受診していた。
クリニックの診療情報提供書によると、昨年8月に起立時に倒れて、顔面蒼白・冷汗があった(10分くらいで回復した)。12月にも同様の症状があり、一過性意識消失(1~2分)があった。ただ、もともと朝礼などで倒れやすい?という。
今年の1月に循環器センターのある専門病院に紹介していた。不整脈疑いでホルター心電図や植え込み型心電図も行ったが、原因は不明だった。頭部MRIではラクナ梗塞を指摘された(部位?)。
その後失神(意識消失)はないが、歩行時のふらつき、自分の感覚と動きが違う気がする、歩行時にぶつかることがある、という症状があった。貴科的に異常がないか、ご高診をお願いします、という内容だった。
12月15日の頭部MRIを行って、21日に再受診となったのだった。頭部MRIはすぐにできないとしても、頭部CTくらい行っても良かったが、症状が不定愁訴的だった?。
頭部CTを確認して明らかな出血がないのを確認した。患者さんはCT室を出たところで車椅子にすわっていた。
1か月くらい前に右後頭部の頭痛が急に出現した。クリニックを受診すると、片頭痛をいわれたそうだ。実際に片頭痛持ちだったが、いつもの痛みとは性質が違っていた(発症形式も突発)。
その時から血圧が高値(170~180)あり、降圧薬が開始された。頭痛は続いたが、1~2週間すると軽減していった。話を訊いた時はほとんどなかった。視覚的におかしな感じがして、やはり自分の感覚を動きが違う気がするという。
1か月前に何があったかだが、脳出血を来して、しだいに血腫が吸収されたところ?。嚢胞性病変がもともとあり、そこに嚢胞内出血などが加わって、それが吸収されたところ?。
12月21日に脳神経内科の外来を受診して、「脳出血を伴う嚢胞性病変」として地域の基幹病院・脳神経外科に紹介となっていた。