12月14日(木)は別の内科の先生が当直だった。翌日の午前3時に当方が診ていた肺癌(術後再発)の68歳女性が亡くなって、看取ってくれていた。
その5分後に消化器科で診ていたアルコール性肝硬変・肝性脳症の74歳女性が亡くなって、それも看取るということになった。(いずれもDNAR)
朝にお疲れさまでしたと声をかけたが、消化器科の患者さんもというと、珍しいですねと言っていた。午前3時頃に病棟から死亡確認の依頼が来て、やれやれと思って病棟に行くと、別の病棟からも死亡確認の依頼が入ったという経緯になる。
以前、当方が診ていた癌終末期の患者さん3名が一晩のうちに次々に亡くなって、当直だった整形外科の若い先生が呼ばれたということがあった。(いずれもDNAR)さすがに3人目の時は、またですかと怒っていたそうだ。
漫画の少年誌を毎週購入している先生だったので、お詫びに図書券を差し上げた。
当方の患者さんは、11月17日に記載している肺癌の68歳女性だった。6年前に肺癌の手術を大学病院で受けて、その後脳転移(右小脳)の手術も受けていた。癌化学療法などを継続していたが、緩和ケアのみとなって当院に紹介されていた。
癌性リンパ管症でステロイドの効果は乏しく、器質化肺炎のような反応はみられなかった。それでも一気に悪化することはなかったので、多少は効いたのかもしれない(腫瘍細胞のアポトーシス誘導?)。
この患者さんは東南アジア出身で、詳しくはわからないが、自国で結婚して息子が2人いた。その後日本に来て、大分年上の今の夫と再婚している。
息子の一人は日本にいて、結婚してその奥さんの出産予定日が11月末だった。孫に会わせたいという家族の希望があった。幸い予定日が大きくずれずに出産した。新生児なのですぐに外出というわけにいかなかったが、先週末には病院に連れて来て、いっしょに写真をとった。
そしてもう一人の息子は母国にいて、日本に来て面会したいと希望していた。母親の診断書があればビザが降りるというので、診断書を記載して夫に渡していた。(内容は癌終末期で、予後がごく短いというもの。英語での記載を要するかと思ったが、日本語の診断書でいいそうだ。)
ぎりぎり間に合って面会に来たが、呼吸困難感が強く鎮静薬を使用した後になってしまっていた。
(続く)