なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

アルコール性肝硬変

2023年12月17日 | 消化器疾患

 12月14日当直の内科の先生が翌日午前3時過ぎに、当方の患者さんに続いて消化器科の74歳女性の死亡確認をしていた。アルコール性肝硬変・肝性脳症だった、 

 電子カルテで確認すると、2022年10月に同様の食べられない・動けないで入院した際は当方が担当していた。当初、名前と病名を見ても思い出せなかった。入院サマリーを見ても、病気のことだけしか記載していないので、どんな患者さんだったかわらかない。

 何か書いていたような気がして当ブログを確認すると、2022年10月18日と10月23日にこの患者さんのことを記載していた。あの患者だったと思い出した。最初に外来で診た時に、付き添ってきた夫に飲酒の事情を訊いたのも覚えていた。

 

 今回は、9月28日からの入院だが、退院の当てがなくずっと入院継続となっていた。11月半ば過ぎに病棟の患者さんと病棟看護師さん数名がCOVID-19に罹患した(きっかけは職員持ち込み)。その時、4人部屋に2名入院していた消化器科で診ている患者さんがCOVID-19に罹患した。そのうちのひとりだった。

 発熱は2日で治まり、COVID-19罹患による原疾患の悪化は認めなかった。その後も入院継続となっていたが、数日前から誤嚥性肺炎となり、抗菌薬が投与されていた。肺炎自体によってというより、それをきっかけにして全身状態が持たなかったということらしい。

 

 この方は市会議員の娘さんで、それなりにいい職場に就職した(公共放送局の支部)。結婚を機に退職したが、出産後に離婚した。親族から引き継いだスナックを経営することになり、仕事柄飲酒量が増えていった。

 再婚した夫は誠実な方だったが、本人はアルコールはやめられず、アルコール性肝硬変・肝性脳症となった。アルコール依存の治療のために精神科病院を受診していたあたりは、本人の止めたいという気持ちがあったのか、夫の熱意だったのか。

 

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