なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19肺炎

2023年12月20日 | COVID-19

 11月20日にCOVID-19の87歳女性が入院した。入所していた施設でCOVID-19のクラスターが発生した。2日前の11月18日から発熱があり、施設の嘱託医が抗原迅速試験で診断していた。38.5℃以上の発熱が続き、食事摂取もできなくなっていた。

 胸部CTで両側肺にすりガラス陰影が広がっていた。最近では珍しい。白血球7200・CRP6.4と炎症反応があまり上昇していないのが、ウイルス性らしかった。

 レムデシビル点滴静注で治療を開始したが、発熱が続き、酸素飽和度の若干低下してきた。入院したのは発熱してから3日目になるが、肺陰影からはもっと日数が経過しているのかもしれない。レムデシビルと併用でステロイドを使用することにした。

 ステロイド投与して(デキサメサゾン6mg/日だが、デキサート注6.6mgを使用)、解熱して酸素飽和度低下も改善した。酸素吸入も中止して、デキサメサゾンは4mgから2mgと漸減していった。

 末梢静脈からの点滴が困難になったが、幸い解熱後は食事摂取できたのでステロイドも経口投与にできた。

 隔離解除となってから、胸部CTで肺陰影を確認すると、予想よりかなり残っていた。

 ステロイドを中止せず、プレドニンに切り替えて漸減することにした。プレドニン10mg/日を継続して、その後5mg/日に漸減した。

 患者さんはすっかり元気になっていた。食事摂取してただ横臥しているだけになった。リハビリを入れたが、いやがってできなかった。

 12月14日に胸部CTをまた行った。また予想よりも肺陰影は残っていた。

 呼吸器外来にきてもらっている先生に相談していたが、もうステロイドはやめましょうということになった。(大学病院から来ている呼吸器専門医、感染症専門医)退院して施設に戻ってもらい、1か月後に外来でフォローすることになった。

 高齢者で陰影の吸収が遅いということなのか。

 

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