なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

スタットコール

2023年12月13日 | 無題

 12月11日(月)に昼前に、全館放送で「スタットコール」がアナウンスされた。回復期リハビリ病棟だった。

 主治医は整形外科医だが、中堅の一番仕事ができる年齢の先生だ。さらに若い先生方も駆けつけてくれる。別の病棟で処置していたが、すぐに駆け付けた看護師さんが、人がいっぱいで近づけなかったと戻ってきた。

 

 夕方に確認すると、患者さんは94歳女性で左大腿骨転子部骨折の術後だった。そもそもこの年齢でよく手術をされるものだ。11月半ばに受傷(転倒)して、すぐに手術が行われた。

 術後は回復期リハビリ病棟に移ってリハビリをしていた。ベットサイドではなく、リハビリ室に車椅子で行って行っていた。調子が悪いと訴えたために、途中で中止して病室に戻していた。

 胸痛や呼吸困難の訴えはなかった。血圧が90台といつもの110~120より低かったが、それ以外のバイタルは問題なかった。主治医に連絡がいって、点滴が開始された。

 点滴を初めてすぐに心肺停止になり、そこで「スタットコール」となった。心肺蘇生術が行われたが反応はなく、家族がすぐには来れないので、主治医が電話で事情を説明した。一定の時間行った後に、死亡確認がなされた。

 頭部CTでは異常はなかった。胸腹部CTでは両側肺に肺うっ血~浮腫・胸水を認めたが、心臓大血管に異常はなかった。冠動脈の石灰化が血管の走行が分かるくらいに目立つ。

 蘇生術後なので、急性心筋梗塞による急性心不全なのか、処置の影響なのか確定はしがたい。心疾患による急変と判断された。超高齢ということもあり、家族はそれで了解されたようだ。

 

 スタットコールstat call(statは、ラテン語のstatim即座から)で、院内で患者さんが急変(心肺停止など)した時に使用される。

コードブルー」も使用される(ドラマの題名になった)。いろいろなコードがあるが、ブルーは患者さんの顔色(顔面蒼白、チアノーゼ)から来ている?。

 コードは他に、コードホワイト(暴力)、コードブラック(テロ)、コードブラウン(自然災害)、コードピンク(誘拐)などがあるそうだ。

 何か月か前に、「コードホワイト」が出されたが、皆さんどういう意味か分からない、といっていた。(会計窓口での暴言だった)

 

コメント
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