12月9日(土)の日中に右半身の不全麻痺で89歳女性が救急外来を受診した。前日からの症状なので、日直の内科医が頭部CTを行うと右後頭葉に梗塞巣が描出された。症状とは合わない。
頭部MRIで確認すると、両側の小脳と左右の大脳にも多発性脳梗塞を認めた。同時期に発症しているので、心房細動からの心原性脳塞栓症が疑われた。(MRAは年齢の割に動脈硬化が目立たず、きれいだった)
心電図は正常洞調律だったが、市内の内科クリニックからDOAC(エドキサバン=リクシアナ15mg)が処方されていた。発作性心房細動で治療していたのかもしれない。
発語はあり、簡単な会話が成り立ったり、成り立たなかったりだった。嚥下評価では飲み込みはできそうということで、嚥下調整食3から開始となった(評価と訓練を兼ねて昼のみから)。
軽度の腎機能障害があるが、年齢も考慮して管理の面倒なワルファリンよりはということでのエドキサバン15mgだろうか。気持ちはわかるのだった。
この患者さんはCTで肝臓内の多発性腫瘤もあった。トルソー症候群の要素もあるか。