93歳女性が内科クリニックからの紹介で救急搬入された。高熱ということで肺炎よりは尿路感染症(急性腎盂腎炎)かなと思いながら、救急室に行った。肺炎ではないと思っていると、看護師さんから腹を痛がっているようですと言われた。下腹部に圧痛がある。デファンスととっていいのかどうか、正直わからない。
やせた女性で(ADLは自宅内を這って動く程度)、単純CTでは読影できないので、造影CTを行った。どちらかというと右下腹部痛のように思われたので(訊いてもよくわからない)、虫垂炎の穿孔を疑って放射線科医と画像を見たが、虫垂自体が同定できない。腹水があり、腹膜炎をきたしているという目でずっと見ていた。外科医も加わって見ているうちに、左下腹部のS状結腸の部位で、腹水の中に腸管外の空気像があると判断された。便塊があるのかもしれない。S状結腸壁の造影が弱くぼんやりしている。便秘で10日排便がないそうだ。S状結腸穿孔による腹膜炎と判断されて、相当なリスクだが、手術を行うことになった。
そのちょっと前に、左大腿動脈閉塞の99歳男性が救急搬入されていた。どうなるのかと思ったが、血管外科医が血栓を除去して短時間で処置を終えたそうだ。昨日から90歳以上の超高齢者が続々入院している。