ああ皐月 仏蘭西の野は火の色す
君も雛罌粟 われも雛罌粟
与謝野晶子
(雛罌粟はコクリコってフランス風に呼んでくださいね)

雛罌粟(ヒナゲシ)、虞美人草、コクリコ、アマポーラそしてポピー;
日本でもいろんな名前が知られていますけど、それほど愛されてきたのですね。
ですから、さてタイトルを何にしよう、虞美人草にしようかなとも思ったのですけど、そうすると項羽のお后 虞妃(ぐき)にまで行かなければならなくなる。それはいいけど、項羽と劉邦なんて面白すぎて、話が止まらなくなってしまうと困るからやめました。
それに音的にはアマポーラの方が好きだけど、こちらでは引用したいものを知らない。
ヒナゲシもあまりにも普通すぎるよね~
ってことでコクリコ。

与謝野晶子の詩です。
与謝野鉄幹が一度目の渡仏に失敗し、二度目にフランスに渡ったときに、しばらくして合流した晶子が、車窓からのひなげしの花をみて作ったって言われています。
噂では、晶子は雛罌粟を、最初はヒナゲシって読ませたらしいのですけど、鉄幹がフランス語で言っていたので、コクリコって読ませるようにしたらしいです。
今頃、オランダに行って、車窓から眠い目で外を見ていると、淡い緑のなかにポピーの赤やオレンジの花が咲いている。晶子が目にしたという赤いじゅうたんってほどではないのですけど、緑の中にぽつん、ぽつんと咲いているポピーを見るとなんだか気持ちが素直になるような気がします。
花言葉が「慰め、労わり、思いやり」だそうで、この気持ち私だけのものじゃないのだなって思います。
ところでこのヒナゲシ。大きいですね。どこからみても「雛」って感じはない。
でもつぼみはしっかりとイガに包まれていましたので、あっちのほうではないですよね。ご安心ください。
なんせ茨城の方では市が河川敷に植えたポピーのなかに、あっちの方の芥子が入っていて、大慌てで引っこ抜いて焼却処分にしたってのがごく最近ニュースになっていましたので。
これはいすみ市の土楽の里というJAの産品売り場に植えられていたものです。このちょっと先に遠山の金さんの菩提寺があるのですけど、、これは関係ないか。