夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

「あけましておめでとうございます」と 千両この時を超えたもの

2009年01月01日 11時20分23秒 |  岬な日々


皆様、明けましておめでとうございます。
今年が皆様にとって輝かしい、幸福な年でありますようにお祈りいたします。
また、ことしもよろしくおつきあいください。

ということで、去年の年末のご挨拶は人様の写真だけで構成いたしました。
すばらしいチャンスに恵まれた写真で、好評でしたけど、あんな写真を撮れるようにチャンスをくださいって神様にお願いしようかな。

なんて思いながら、久しぶりのお屠蘇で少し酔ったようです。
これでは外に出て行くのも問題かと、家の中ですごしておりますが、外はからりと晴れ上がり、穏やかな日和。今年のスタートとしては申し分のない日です。
願うれば今年もこのように平穏、平安であればと思いますが、いろいろと問題が山積しているようです。果たして、このような日が続きますでしょうか。

昨日買い求めました千両を活け終わって、その残り枝を一輪挿しにポイと入れ、掃除をしておりまして、こぼれ実を見つけました。
しげしげと見ておりまして、思い出しました。
友人が千両というのはとても古い形式を残した木なのだといっておりました。
こちらにはフラワーアレンジや活花、植物の写真をやる方が多いので多分ご存知だと思いますけど、千両の花には花弁やガクがなく雌しべとその横に小さな雄しべが出てくるだけです。実がなったときに、実の突端に黒い点がありますがこれは雌しべの先端の後なのだそうです。そして実の横腹のところに小さなやはり黒い点が見えますがこれが雄しべの痕跡なのだそうです。



幹や枝の部分も、普通に見られる水を通す導管がなくて、それに進化する過程の仮導管が見られるということでした。進化したはずの被子植物である千両が、それ以前の裸子植物の形態を残しているというのですね。

悠久の時を経て今を行き続ける、なんとお正月に相応しい植物ではありませんか。

ところで今私たちは千両と書くのが普通ですけど、昔は仙蓼花(せんりょうげ)とも読んだようです。

ちなみに千両はセンリョウ科。万両はヤブコウジ科に属します。ところで万両の属するヤブコウジは十両とも呼ばれていますね。

もったいないと残り枝を入れただけですけど、けっこう綺麗です。
でも、この写真を撮るので花瓶をベランダの手すりに載せましたが、風があり、花もばらばらになりましたし、花瓶がいつ落ちるかとひやひやでした。
お正月から落下事故なんて縁起でもないですからね。
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