夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

細領巾の鷺坂山の白つつじ

2009年05月02日 14時13分45秒 |  気になる詩、言葉


細領巾(たくひれ)の鷺坂山の白つつじ
        われににほはね妹に示さむ
           万葉集 9-1694
           詠み人しらず

鷺坂山に咲いている白いつつじよ
私に匂いを染めておくれ、
家に帰って妻にもかがせたいから

万葉集の素晴らしいところって、素直なところですよね。
美味しいものがあると、子供に食べさせてやりたいなとかって、素直に詩にしている。そんな素直さ、直截さが万葉集の一番の魅力。
素晴らしいつつじを見て、家に帰ってせめて香りだけでも妻に伝えてあげたい、、、なんて思いをそのまま詠ったもの。
こんな素直な言葉がそのまま詩にできるのであれば、私だって詩人になれるって思ったけど、伝えるべき妻や恋人をこれから探すなんて、そっちのほうが大変ね~
やっぱり、私は詩人にはなれないのか、、、、、泣