夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

バラ パレード そうび   

2009年05月21日 09時55分27秒 |  気になる詩、言葉


今、ベランダではバラのバレリーナとチュチュが咲いていますが、昨日、この子も求めてきました。パレードという種類だそうです。
でも、このピンク系のパレードは、濃いピンク(赤?)のパレードとはずいぶん違いますね。赤のパレードは頭が重くって下向いているけど、これは胸を張って、上向きですよね。もしかしたら、違う種類なのかしら?
昨日、買ったときにはこれから開くって状態でしたけど、今や咲きすぎ。一つだけ、「これから、、」のがありましたので、それをトップに持ってきてみました。

確かに確かに、、、普段は他人の厚意を受けることを知らない、見られていることすら知らないような野の花が好きなんて気取っていますけど、このバラを見ているとほんとうに「花」(あるいは「華」かな)って感じがしますね。
世の不幸というものをまったく知らない、気高いお姫さまなのでしょうか、、
人が手をかけてくれることに疑問も持たない、見られることのために存在していることを十分にわかって咲いてくる花の一つですね。
そのレベルでの切磋琢磨を経て来ている花ですから、綺麗なのが当たり前だと思いますけど、この無心に咲いている花にもいろいろな問題もあるのでしょうね、、、

なんて書きながら、美人コンテストの参加者のためのトレーニングを思い出しました。でも、悪いけど、あれで作られた「作品」って、なんの魅力もないな~
(何ていいながら、そんな人に迫られたら、断れるかな、、、、たぶん、無理でしょうね、、、、、なんて思う私もまた、私なんですけど)

ある意味、車のレーシングと同じなのかなとも思います。普段の私たちとは無縁なところでの切磋琢磨が、自分たちの世界にフィードバックされてくることもあるのでしょうね、、、そんな風に思ってあげましょう。



でも、やはり知人でバラを植えたいからっていすみ市に移り住んできた方がいらっしゃいますがその気持ちが分かるような気がします。
今春咲きの季節を迎えて幸福の絶頂にあるその方も、一年を通じての花の世話は本当に大変みたいです。
日ごろの世話をサボってしまうとそれが結果としてでてくるのですからね。

野の花の生命力に惹かれるのか、、、
それともこれだけの熱意を注ぐ人たちの存在に圧倒されるのか、、、、
うん、他人事みたいですって? そりゃそうですよ、私はそんな努力はできないから。人様のものを見せてもらうか、ほったらかしでもよく咲いたな~ってそんなことを嬉しがっているかのどちらかですからね。





ところで、バラ。
今までもずいぶんと写真を撮ってきていますね。
「写真、植物」 (これは岬や多摩川に編入しなおしています。残りは「写真」にしてしまおうと、、、思ってたのですけどね、、、今またどうしようって迷っておりますよ)
「多摩川散歩」にもたくさんベランダのバラがついていますし、「岬な日々」には少しだけあるかもしれません。
「気になる詩」には古今集の紀貫之の詩を入れていたと思います。
我はけさうひにぞみつる、、、、
で始まる歌。 今朝の「さ」と憂ひの「うひ」でそうひが織り込まれている詩ですね。この手の折込は「物名」の中に入っています。ちょっとわざとらしい詩が多くてあまり好きな巻ではありませんけど。 その「そうひ」が薔薇の音読みですよね。
古今集の前くらいに中国から入ってきたといわれていますので、万葉集にはバラはないはずです。(これまた、確証はありませんので、ご存知の方お教えください)
以前のバラを扱った日記でも、当時のバラは今の洋種のバラとは違いますよって書いていましたけど、バラといえば、今は多くが洋種のバラですね。
まだ、一般的ではなかったのでしょうね、新古今集にはバラの詩は覚えがありません。

ところで、古今集の唯一の詩をもうすでに使ってしまったので、、、さて、何に絡ませましょうか。ということで、またまた源氏物語

階のもとのさうび けしきばかり咲きて 春秋の花ざかりよりもしめやかにおかしきほどなるに 
        賢木

ご存知だと思いますけど、ここの「けしき」は景色じゃなくって、「兆し」の意味ですからね。
私は紫式部のこの感性、すごく日本的だと思います。
また、それが私が野の花に目を向けるところでもありますけど、
洋花のどこまでいっても、豪華絢爛というものよりも、和の好みから言えば、しめやかに、ひっそりと、っていうような謂わばペーソスを含むものをもっと素晴らしいと思える概念。
以前にも書いたことがあると思いましたけど、海外から来るアーティストに、「日本人の感性というのはね、満月を見ても、濃紺の空に満月が輝いているのよりも、月の一部が雲に隠れているのを好きなんだよ。その雲の形、そしてその裏に、それがないときの満月を想像する余裕を見る人に与えられるからね」、、、、なんて、偉そうなことをね。今考えると恥ずかしくって冷や汗が出るけど、、、
なんていいながら、満月のまん丸お月様をよくアップしていますけど、あれはカメラやレンズ、そして三脚を含めたシステム全体の性能を見るので撮っているのですからね、、、、(オタオタ)

でも、日本人ってそんなとこ、けっこう屈折しているし、その屈折具合がなんとなく、可愛いじゃないですかね、、、、