夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

梔子  みみなしの山のくちなし、、、

2009年05月23日 15時41分42秒 |  気になる詩、言葉

みみなしの山のくちなしえてし哉
   おもひのいろのしたぞめにせん
        詠み人しらず       
        古今集 19-1026


昨日も夜にかけて一時 雨が降るという予報でしたが結局、雨は降らずじまい。
今日も、曇りの空が広がっています。
湿気の多い風が吹いていますけど、特に暑くはない。むしろ風が心地よいのです。
風が、ベランダで踊っていてもそこはかとなく梔子の匂いを伝えてくれます。
時折、その匂いがぐっと強くなって、いたずらな風が部屋の中を覗き込んだのを教えてくれます。

上の詩は、耳成山の梔子を手に入れたいな。そうすれば私の恋心の下染めにしよう。
みみなし、、、噂も立たないし、くちなし、、、口をつぐんで誰にも教えない。だから、耳成山の梔子で私の恋心を染めてしまえば、誰にも分からないでしょう。

今は一重の梔子はむしろ少なくなりましたが、当時は一重ですね。
果実はご存知のように、布を染めたり、食料を染めたりしていました。
私も、栗きんとんのレシピをアップしていますけど、その時にも梔子の実を使っています。
       
花は、いろいろアップしていると思いますが、日記の量が増えすぎて、以前のものを見返すのが大変になってきました。



初夏のちょっと湿り目の宵、どこからともなく梔子の香りが流れてくると、こんな老いぼれでもなんだか人恋しくなります。
それには蓋をして、お気に入りの椅子に座り、テーブルには美味しいお酒と、、、、本なのでしょうか。。。
ものぐるおしゅうございますな~