ジェイアール東海パッセンジャーズ 日本の味博覧(1,000円) 東京駅
進行方向右の窓側(E席)に座る。北側で概ね日が射さないので車窓を楽しむのに都合よく、お手洗いに行くのには隣の通路側の一人を煩わすだけなので大体E席を選ぶ。そして何よりも富士山側。隣の通路側のD席には男性が座っている。新幹線〔のぞみ29号〕は東京を12時30分に出発した。隣の男性は早速弁当を食べ始めたが、自分はまだ食べない。品川停車中に弁当の写真を撮る。12時37分、品川を出発してから缶ビールを開け、弁当を開く。
中身はこんな感じ!
昨年、寝台特急〔はやぶさ〕で食べたのと同じ弁当だが、季節ごとに内容が変わり、去年とはおかずが違っている。去年の方が好みの内容だった。新横浜12時49分発。列車は速度を上げる。富士山は見えない。新丹那トンネルを抜けても富士山は見えない。新富士を過ぎてウトウトして目を覚ますと浜松を通過したところだった。浜名湖を眺める。新横浜から長時間の無停車で名古屋に到着。プラットフォームには500系車両をカメラに収めようという人が多く見られる。名古屋14時15分発。白い伊吹山を眺める。昨日は関東にも積雪があり、雪自体は珍しくもないが、雪化粧した山というのはまた格別である。京都に到着。こちらにもカメラを構えた人たちが。小さい男の子が500系に手を振り、それをお父ちゃんが撮影という姿が何組か見られた。上りのプラットフォームから手を振る人もいる。何ともいい感じ。京都を14時52分発。桂川を渡ると隣の席の男性が荷物を持って席を立った。新大阪で降りるんだろうが、随分支度が早い。自分が広島で降りる時、荷物を網棚から降ろすのは、瀬野川を渡ってからである。隣が空いたのでこの間に用を足す。隣のグリーン車の手前の広いスペースはサービスコーナー。かつては売店だったが、今は営業をしていない。食堂車もビュフェもない現在では列車内を何両も歩く事はなくなった。列車は新大阪に到着した。
新大阪にもカメラの人たちが。新大阪でJR東海管内からJR西日本に変わる。乗務員が交代、車内販売の売り子さんもジェイアール東海パッセンジャーズからジェイアール西日本フードサービスネットに交代。分割民営化後も食堂車・車内販売は交代しなかったのだが。隣のD席に女性が乗ってきた。東海道区間は混んでいても山陽区間に入ると空いてくるものだが、今日は引き続き乗車率が良い。みんな500系を選んで乗ってくるのだろうか。新大阪15時09分発。新大阪以西では500系は今後も走り続ける。ただし16両から8両編成となり、グリーン車は連結しない。そういえば500系のグリーン車には一度も乗らなかった。100系の2階建て車両で東京-広島間を一往復しただけである。長大な六甲トンネルを抜け、新神戸到着。これまでの停車駅と違い、カメラを構える人が激減した。短編成でも500系が走り続けるからだろうか。実際、山陽新幹線に入ってから500系と何度かすれ違い、何だか安心する。
国鉄時代と変わらず、新大阪-岡山間では車内の屑物の回収がある。今ではカタカナの名前で呼ばれているようだが。姫路を通過する。初めて500系に乗った時に、この先で車内案内で時速300キロの表示があったので期待していたのだが、表示は無い。時速300キロで運転していないのか、それとも表示を止めてしまったのか。前方の席で携帯電話を持った腕が伸びている。表示を撮影しようというのだろう。岡山15時57分発。新倉敷を通過。時速300キロ表示を忘れていた頃、突然表示された。
「ただいまの速度は300km/hです。」
「We are now travelling at 300 km/h.」
前方の携帯電話氏は首尾よく撮影に成功したようだ。そして福山で下車していった。ぎりぎりである。福山16時14分発。弁当はJR東海子会社の売店で購入したので、デザートはJR西日本子会社の車内販売でと思っていたが、福山を過ぎてようやくワゴンがやってきた。アイスクリームと水を買う。アイスクリームは固くなっているので、しばらく置いてから食べるように売り子さんに言われる。子供の頃、仙台からの帰りで乗った〔ひかり〕の車内で買ってもらったアイスクリームも固かった。アイスといえば50円のカップのラクトアイスばかりで、初めてアイスクリームを食べたのが新幹線だったかも知れない。固さも味わいも当時のままである。
スジャータ アイスクリーム<バニラ>(270円)
瀬野川を渡ったが降りる準備はしない。マツダスタジアム(広島市民球場)を見て、広島到着。今日はここで降りない。広島16時39分発。次の停車駅は九州の小倉である。山口県内の各駅は通過する。小瀬川を渡り、山口県に入る。長い岩国トンネルを抜け、次に古市トンネルを抜けると、錦川を渡って新岩国である。新岩国停車の列車なら減速している頃だが、〔のぞみ29号〕は高速を保ったままである。新岩国付近を動画で撮影しようと準備をしていたが、カメラの調子がおかしいままに通過してしまう。短いトンネルをいくつか抜けると、新欽明路トンネルに入った。長いはずなのだが、もう走り抜けて、旧玖珂町、旧周東町内を走っている。徳山が近づくと速度が下がってきた。徳山駅付近の曲線半径が小さいので、随分速度を落す。そもそも新幹線はもっと山側の国道2号周南バイパス付近がルートだったが、在来線の徳山駅に併設するよう変更されたため、この急カーブとなった。
徳山を通過すると速度を上げる。新山口(旧小郡)、厚狭と通過してゆく。山口県は東西に結構長く、在来線で岩国から下関まで3時間くらい掛かるのだが、新幹線は広島から小倉まで47分しか掛からない。もう新下関を通過。山口県最後の駅である。すぐに新関門トンネル(18,713m)に入る。本州と九州とを結ぶ、長大な海底トンネルである。ちょっとわくわくするが、程なく地上に出て小倉に17時26分到着。もう九州にいるのかと不思議な感じだが、車窓の関門海峡の向こうに本州が見えるので九州なんだろう。小倉を出発すると次は博多。九州自動車道と並んで遠賀川を渡る。新幹線は在来線よりも内陸部をショートカットして行くので、僅か17分で小倉-博多間を走破する。福岡市内に入り、鹿児島本線に沿って走り、終点の博多に17時44分到着した。5時間14分の旅だった。
新幹線〔のぞみ29号〕 29A 東京(12:30)→博多(17:44) 527-408
500系普通車内
東海道・山陽新幹線プラットフォーム (博多)
鹿児島本線 博多駅 博多口 (福岡市博多区博多駅中央街)
以上、いずれも平成22年2月19日撮影
JR西日本の改札で特急券に「乗車記念 使用済」の押印をしてもらい、切符は持ち帰る。博多口から駅の外に出る。ブルートレインで博多を発って約一年後、再び同じ場所にやって来た。初めて東京-博多間を新幹線で乗り通して、改めて速いなと思う。しかし現在では航空機を利用する旅客の方が多いのだそう。そして旅情あふれるブルートレインは、もう九州にはやって来ない。一年振りの博多駅は、駅ビルの工事が随分進捗していた。下は去年の写真。
鹿児島本線 博多駅 博多口 (福岡市博多区博多駅中央街)
平成21年2月17日撮影
以下、いずれも平成22年2月19日撮影
九州新幹線鹿児島ルート全線開業に向けて準備の進む博多駅を後にして、今夜の宿に向かう。チェックインして部屋に入りテレビを見る。総合テレビでは松尾アナと秋山千鶴さんがニュースをやっている。なかなか豪華メンバー。さて、シャワーを浴びてサッパリすると夜勤明けの疲れか、夕食もとらずに眠ってしまった。博多の夜なのに… (つづく)
冷泉閣ホテル駅前 (福岡市博多区博多駅前)