旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾ローカル線の旅 集集線

2012-09-03 10:00:00 | 台湾日記

自助式早餐(朝食バイキング)

民國101年(2012)6月25日星期一(月曜日)上午(午前)8時、高雄のホテルで目覚める。んん、8時か。6時に目覚ましを掛けていたのに。ちなみにホテルに部屋に時計はないので、目覚ましは日本から持参したものである。どうも自分で止めてしまったようだ。8時の列車に乗るつもりだったのに。快適に寝すぎである。まあ、前日に今日の切符を買っていない時点で、寝過ごす事は予想していたのだろう。急ぐ訳でもなく、身支度をしてレストランへ。8時半だが朝食会場は盛況である。でも空席はあり、すぐ席に案内された。レストランのスタッフも日本語を話す。自助式、すなわちバイキングで、料理は野菜を多めによそってきた。


京城大飯店 (高雄市三民區九如二路)

快適なホテルで、思いの外に長居してしまったが、そろそろチェックアウトする。冷房の効いたホテルから、蒸し暑い屋外に出る。ホテルの外観を撮ろうとカメラを向けると、レンズが曇ってしまった。寒い屋外から、暖房の効いた屋内に入った時の逆である。


臺灣鐵路管理局 縱貫線 高雄車站《後站》 (高雄市三民區)

高雄駅は通りを挟んだ向かい側。こちらは裏口となる後站。表口は前站という。後站にもちゃんとした切符売場はある。近距離の券売機だけで、みどりの窓口は表口へという事はない。今日は集集線という路線に乗る。縱貫線の二水という駅で分岐するが、これから乗る自強號は二水に停まらないので、手前の斗六までの切符を買う。窓口氏が何か言っている。空席がないのか、また途中から無座(立席)となるのか。どうも高雄から斗六まで通しで空席はないが、高雄から途中の台南までと、台南から斗六までの空席はあるので、台南で席を移動する事になるがよいか、という事だった。座って行ければもちろん構わない。


自強號 高雄→台南(106元)


自強號 台南→斗六(210元)

自強號の高雄-斗六間の通しの値段は316元。分割購入となったが、切符の合計の値段は同額だった。日本のJR線では遠距離逓減制で、通常、分割して切符を買うよりも、通しで買った方が安い。例外となる区間もあるが、凡そそうである。臺鐵では事情が違うようだ。台南で移る席も、隣の車両なので、あまり移動しなくても済む。席を確保してくれた窓口氏に感謝し、急いで月台(プラットフォーム)へ。列車の出発時刻が迫っている。自強號はすでに到着している。切符の席に行ってみると、若い女性が座っており、隣席には若い男性が座っている。これから何時間も乗るのなら、席を空けてもらうところだが、自分は31分後に到着する台南で席を移らねばならないし、この男女も次の台南で下車するそうなので、腰を浮かしかけた男女にはそのまま座ってもらい、自分は近くの空席に腰掛けた。

当初の計画から2時間遅れの10時に高雄を出発。列車は定刻である。愛河を渡り、列車は北に向きを変え、速度を上げる。台灣高鐵(新幹線)の乗換駅、新左營にも停まらない。この自強號は、前後に機関車を配し、中間に客車を挟む、フランスTGVのような列車で、電車とは異なるが、日本の在来線特急のような走りっぷりである。台南に到着し、車両を移動する。今度は切符の席に腰掛ける。存分に車窓を堪能する。何度か高鐵の高架と交差。嘉義で不通となっている阿里山森林鐵路の月台とレールを眺める。台南から1時間あまりで斗六に到着する。


metro 自強號で斗六站到了symbol6

縱貫線 自強 118次 高雄(10:00)→台南(10:31) 35PPT1135 票價106元
縱貫線 自強 118次 台南(10:33)→斗六(11:38) 35PPT1069 票價210元


縱貫線(西部幹線) 自強號 118次列車 (斗六)


列車は北へ!


臺鐵 縱貫線 斗六車站 (臺灣省雲林縣斗六市信義里民生路)

切符は記念に持ち帰るため、有人改札へ。そこには時刻表が何冊も置いてある。改札掛のおばさんに断って、一冊頂戴する。昨日、沙崙で使い古した時刻表を頂戴したが、斗六で手に入れたのは新品である。台北で探し回っていたのが嘘のようである。さて、次の列車まで少し時間があるので、駅の外に出てみよう。駅舎は新しい。後日、ウェブサイトを見たところ「跨站式新站房於97年12月19日正式啟用」とあるので、新しい橋上駅舎が西暦2008年12月19日に正式開業したのだろう。違う意味だったら申し訳ない。


斗六站の駅頭

乗り換え目的の下車で、斗六について何の知識もないが、雲林縣政府所在地なのだそう。切符を買って、再び月台へ。


剪票口(改札口)


區間車 斗六→二水
(26元)

各駅停車の區間車に乗り換える。日本で言えば普通列車、鈍行である。18きっぷの旅のような開放感がいい。行き着くところ各駅停車が究極の旅なのか。座席はロングシートで、車窓を楽しむには不向きである。車内では学生さんが便當(弁当)を食べている。

縱貫線 區間車 2342次 斗六(12:02)→二水(12:17) 45EMC562 票價26元


縱貫線 區間車 2342次列車 [EMU500型電聯車] (二水)

二水に到着。今までは、嘉義で阿里山森林鐵路を見ていたように、二水で集集線の線路を見ていただけだったが、今日ようやく乗る事が出来る。


臺鐵 縱貫線 二水車站 (臺灣省彰化縣二水鄉光文路)


二水站の駅頭

次の列車まで一時間くらいある。切符を買って、駅舎内のイスに腰掛けて列車を待つ。扇風機の風が涼しい。列車を待っているのか知らないが、中には便當を食べている人もいる。昼時だが、自分はまだ空腹ではない。駅前のOK martで冷たい紅茶を買ってくる。そういえば、台湾のコンビニエンスストアでは、袋は有料のようだ。紅茶一つに袋は要らないが、荷物を入れておく袋が欲しい。じゃあ袋を買おうか。2元だった。


區間車 二水→車埕
(43元)


今日は二水に戻って来ない予定だったが…


集集線 區間快 2715次列車 [DR1000型柴油車] (二水)

台中始発の車埕行の區間快車が入ってきた。台中-二水間の縱貫線では通過する駅もあるが、二水より集集線に入ると、各駅に停車する。日本式に言えば、そのまま区間快速か。集集線は単線非電化なので、ディーゼルカーである。


車体


雀巣茶品 檸檬茶(10元)

列車は空いている。ロングシートながら車窓を見るのに支障はない、二水を出発する。複線電化の縱貫線と分かれてゆく。彰化縣より南投縣に入る。これで台湾島内の全ての縣に入った事になる。濁水に到着。ここで彰化行の列車と交換する。


交換する列車が入ってきた (濁水)


集集線 區間快 2714次列車 [DR1000型柴油車] (濁水)


タブレット交換か!

深い緑の楠の古木の並木に覆われた道路沿いを走ったり(緑のトンネル)、台湾最長の河川、濁水渓が迫ったりと、車窓は変化に富んで楽しい。今日は集集線の途中駅で下車するつもりだが、まずは終点の車埕まで乗り通す。

集集線 區間快 2715次 二水(13:15)→車埕(14:05) 45DR1007 票價43元


metro 區間快車で車埕站到了symbol6


集集線 區間快 2715次列車 [DR1000型柴油車] (車埕)


車止めの向こうには明潭水庫(ダム)



寂しい終着駅かと思えば、芝生も張られて公園のように整備されており、結構賑わっている。平日なのに若い人が多いが、台湾では6月が卒業時期だから、もうお休みなのかな。




腕木式信号機も!


臺鐵 集集線 車埕車站 (臺灣省南投縣水里鄉車埕村)


線路側から見た駅舎


表から見た駅舎

こちらの方が裏口のよう。さて、臺鐵の切符には「○○站證明章」の青いハンコをもらって(自分で押印して)持ち帰るのだが、車埕では見当たらない。切符は回収されるのではと思ったが、回収はされずにすんだ。どうも腑に落ちない。今度は帰りの切符を集集まで購入。何と硬券である。日付も日本同様、日付印字機でその場で入れる。年のところは、きっちり3桁で印字されている。日本同様と書いたが、硬券を買ったのは今年2月の松代駅が最後である。その前は昨年7月の大多喜駅か。使う切符だけでなく、入場券(月台票)も欲しくて聞いてみたが、窓口の女性は今買った集集までの切符を指差す。記念に欲しいのだが、説明できない。券面には「水里鄉公所代售」とあるで、地元に販売を委託しているのだろう。


區間車 車埕→集集
(15元)




集集線 區間快 2716次列車 [DR1000型柴油車] (車埕)

僅かな折り返し時間で車埕を後にする。列車の本数は少なく、ここで時間をとる訳にはいかない。往路と同じ車両に乗って出発する。次の水里は後で降りて、バスに乗り換える予定である。その次の集集で下車した。 (つづく)

集集線 區間快 2716次 車埕(14:19)→集集(14:34) 45DR1007 票價15元


metro 區間快車で集集站到了symbol6
いずれも民國101年(2012)6月25日撮影 ※切符の画像を除く。