旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

大統領選挙とアメリカ国民の希求

2008-06-07 13:36:52 | 時局雑感

 

 アメリカ大統領選挙の民主党候補者選びで、激戦の末オバマが勝った。この長期にわたる激戦と、本命と思われていたクリントンの敗北に、アメリカ国民の苦悩を見る思いがした。二人は何を競い、国民は何を望んでいるのであろうか?

 結果的には、オバマの勝利は自明であったのかもしれない。小差ではあったが。
 オバマは「変化」を掲げ、クリントンは「経験」を訴えた。そして、今のアメリカ国民が求めたものは、当然のことながら、変化であった。これが、本来はクリントンがかなりの差で勝つと思われていた戦況をひっくり返したのではないか?
 国民はブッシュ政治の8年にうんざりしている。特に、泥沼化するイラク戦争、BRICs諸国の台頭や中南米諸国の離反、EU(欧州連合)の独自な歩み、また国内にあっても貧困・格差社会の進行など、閉塞感に覆われている。「新しいアメリカへの変化」こそが国民の求めるところであるだろう。
 「経験のない者に政治ができるか」という主張がある。共和党のマケインもオバマに対して言うかもしれない。しかし、経験者がその経験に頼る限り新しいものは生まれてこない。むしろ「経験のない者」をこそ国民は求めているのではないか?
 ホワイトハウスには、アメリカ建国以来の「200年の経験」が蓄積されている。誰がなっても経験に困ることはないのではないか? むしろその経験以上のことはやらない惰性の方が困るのだ。
 国民がそのことを感じていたとすれば、この勝敗は自明であったと言えよう。

 もう一つ。初の女性大統領と初の黒人大統領、というテーマはどう作用したのだろうか? (長くなったので続きは次回)
                         


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